小排気量とは思えない走りっぷり!
FVZの試乗車は、300PSエンジンと9速AMT・スムーサーGxを搭載したホイールベース5560mm(Q尺)、前輪255/70R19.5・後輪245/70R19.5という前後異径タイヤを履いたシャシーでした。上モノは平ボディ架装で最大積載量は12400kg。この積載スペックはギガCXZでは得られません。
試乗時はフル積載のGVW20トン状態、さすがに「あり余るトルク感」はありませんが、9速スムーサーFxの回転制限機能付きエコノモード(省燃費モード)での転がりだしは鈍さを感じさせるものではなく、アクセルを踏み込んだ際の加速にも重苦しさがありません。平地ではエンジン回転数の上昇を抑えつつも、排気量を意識させない走りっぷりでした。それをもたらしたのは、DB6Aでは高筒内圧燃焼で動力性能を引き出す(=燃費性能にもつながる)……という燃焼設計を採用しているからです。
また、AMTは小排気量エンジンを走らせやすくするデバイスでもありますが、新型FVZの9速スムーサーFx(FRR~FTRのスムーサーFxとは異なりギガのスムーサーGxと同様のクラッチ断接メカニズムを備える)は、その制御が洗練されていて、煩わしさを感じさせないのも良いところです。
いっぽう手動変速モードを試してみると、停止状態からレッドゾーン手前の2400rpm近くまで回しても歩みは鈍く、シフトアップしても速度があまり伸びないなど、同じトランスミッション?同じギア比?と疑いたくなるほど対称的な表情をみせました。手動変速モードは低いギア比で確実にクルマを引っ張りたいときに活用するモードといえます。
新開発シャシーは、GVW20トンをガッシリ支えるような剛性感があり、中型増トンの上限というギリギリ感はありません。フル積載だと総輪リーフサスの乗り心地も実に快適です。試乗車には、パッケージオプションで装備される全車速車間クルーズ(FACC)、車線維持支援機能(LKA)、EDSS(ドライバー異常時対応システム)車線内自動停止機能をもつことから、必然的に電動アシスト機構付油圧パワステも備っていたため、直進が保ちやすくもありました。
なお、試乗車として供された個体は、実はいすゞが開発業務に用いている量産試作車で、正規の市販車とは異なる部分がありました。キャビン内もベッドを置いていない状態で、そのためエンジンの透過音がかなり入ってくるのですが、思いのほかエンジン音は軽くまろやかで耳障りではなく、ターボの金属音が目立たないので、市販車のキャビンは居心地がかなり良いのではと思います。
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コメント
コメントの使い方日本の道路事情にあった大型車両だと思う、現在の大型車両は廃止して鉄道コンテナ積載可能な車両に置き換えて長距離、大量輸送は鉄道にシフトして環境問題、労働力問題解決に適していると思う、免許制度においてもハードルが低く運転者確保も容易だと思う