最新のスムーサーFxはイイぞ!
残念ながら積荷のない状態(軽油満タンでも6tに満たない)でしたが、新型フォワードFRRを運転してみてまず印象的だったのが、室内が静かなこと。キャビン床下には、5.2リッターの直列4気筒ディーゼルエンジンが収まっているのにも拘わらず、エンジン音の侵入はよく抑えられており、室内の空気が震えるような不快さとも無縁で、想像以上に上質な室内空間でした。
試乗車は、この5.2リッターエンジン・4HK1型の高出力バージョンである4HK1-TCH(最高出力240PS/2400rpm・最大トルク78㎏m〈765Nm〉/1600rpm)と、いすゞ独自の機械式自動変速機「スムーサーFx」を搭載しています。
中型トラックの240PS、しかもワイドキャブのウイング車は、高速路線運行にもよく使われます。高速での時速80km巡航(中型は時速100kmが上限ですが、社内規定80kmの企業も多い)はまったく余裕。長い登り坂でもパワーにゆとりがあります。ただ、試乗車にはキャビン上に導風板がなかったので、装着していれば追越加速や高速燃費がもっと良かったのではないかと思います。
スムーサーFxは、フットペダルがアクセルとブレーキのみで、オートマと似た感覚で運転できます。クリープ機能が付いているため、積荷にやさしい発進操作がしやすく、渋滞で進んだり止まったりする際の労力も抑えられています。
驚いたのが、スムーサーFxのフィーリングが以前乗った2018年型よりかなり良くなっていること。空荷だったとはいえ、シフトチェンジの際に発生するクラッチ断接時の衝撃が穏やかで、AMTで評価の高い北欧の大型トラックを彷彿させたほどです。また、燃費指向の変速制御(早めシフトアップ)がデフォですが、低回転でもトルクがあるため、気ぜわしく変速することもなく、ゆったり走ってくれるのはいいところ。逆に急かすように走る状況だと印象は違うでしょう。
また、新型フォワードのスムーサーFxには、近年の大型トラックAMT車が装備する惰行機能が追加されました。定速走行が続いている際、ギアボックスが自動でニュートラルに入って、速度が低下しない範囲で空走させる機能で、燃費改善に寄与します。時速40km以上で条件が揃うと作動するとのことで、今回の試乗時にも作動したかもしれません。というのは、この機能は、クルマ側が作動判定することもあって、実際には作動(ドライブトレーンからスッと伝達が抜ける感じ)に気づきにくいからです。
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