10月5日に2023年度グッドデザイン賞の結果が発表され、いすゞ自動車のフルモデルチェンジを果たした新型エルフ、新型フォワードがダブル受賞を果たした。
いすゞは小型〜大型車までひと目で「ISUZU」だとわかる統一デザインを採用してきたメーカーだが、新型エルフから始まったそのデザインコンセプトは新型フォワードへと継承され、このほどダブル受賞に至った。
新型に込められたデザインコンセプトは何か? いすゞのデザインセンターの担当者に聞いた。
文/フルロード編集部、写真・イラスト/いすゞ自動車
新型エルフから始まったデザインコンセプト
今年8月にデビューした新型フォワードに先行し、3月にフルモデルチェンジを行なった新型エルフ。そのインテリア・エクステリアを含めた全体のデザインコンセプトには「PLEASURE to CARRY」、直訳すれば「運ぶ喜び」というテーマが掲げられている。
新型のデザインに取り掛かったという2016年。市場環境が大きく変わり、小口の配送量の増加しドライバー不足が深刻化していく時期にあった。
ドライバー像が多様化していく中で、デザインとして何をすべきか……。そこで考えついたのがこのテーマで、ドライバーが喜びを得られる環境をキャブのスタイリングで実現したいといった想いを表したものだという。
このテーマを元にキャブデザインの目標「タフネスで先進的な仕事道具」と「華やかさを感じるスタイル」を設定し、従前車は商用車的なデザインだったのに対し、新型は機能一辺倒にならず、ドライバーや周りで見ている人たちにも乗ってみたいと思わせるような、躍動感や親しみ易さがデザインとして表現されている。
そのエクステリアに関しては、スタイリングのコンセプトを「SOLID&EMOTIONAL」として、キャブとしてはスムーズで堅牢なキャブ骨格を表現し、フェイスデザインは華やかさによる車格感の向上を目標にスタイリングが進められた。
またインテリアに関しては「EASY&MOTION」をコンセプトに設定し、使い易くてわかり易いという狙いをベースに、道具というトラックの基本は押さえながらも、乗った時に少し親しみ易さを感じられるような雰囲気を出していきたいという想いがあったという。
ちなみに、以前のエクステリアは6つの四角い穴が開いているいすゞの統一デザインが、大型から小型、バスまで採用されていたが、このブランドアイデンティティは「シックスホールコンチネンタルグリル」と呼ばれ、いすゞ車を使っているすべての大陸、南極も含めた6大陸を象徴したものであった。
今回新型エルフ、フォワードに展開したブランドアイデンティティは「ワールドクロスフロー」と呼称され、これはいすゞの世界中のユーザーに対して輸送を支える気持ちとして、「世界を結びつけ繋ぎ合わせる」というイメージを可視化した表現とのことだ。
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