ヤバいよヤバいよ!! またまた燃料価格が上がってきているのでドライバーさんに省エネ運転をしているのか聞いてみた

ヤバいよヤバいよ!! またまた燃料価格が上がってきているのでドライバーさんに省エネ運転をしているのか聞いてみた

 ガソリンも同様だが、このところ軽油価格もジワジワ上昇を続けている。

 経済産業省資源エネルギー庁の7月26日の発表によると、軽油1リットル当りの全国平均価格は、前週の153.6円に比べ0.8円アップの154.4円(ガソリンは174.8円)。これは10週連続の値上がりだ。

 しかも、これは燃料油価格激変緩和補助金により10.3円抑制(7月26日時点)された価格なのである。小売価格の高騰を抑制するためのこの石油元売りへの補助金もリミットは今年9月末まで……。

 何だか、また蝉しぐれのように「省エネ省エネ」の合唱が聞こえてきそうだが、敢えてトラックドライバーさんに聞いてみました。

 あなたは省エネ運転していますか?

文/北九州発の長距離ドライバーひろしさん・関東のベテランドライバーDKさん、写真/フルロード編集部
*2022年3月発行トラックマガジン「フルロード」第44号より

省エネ運転に繋がるようなことはしていません/長距離ドライバーのひろしさん

とくべつエコ運転もアイドリングストップもしていないとひろしさん
とくべつエコ運転もアイドリングストップもしていないとひろしさん

 地球温暖化が叫ばれるご時世であり、燃料も高騰している昨今ですから、トラックの駐車中、休憩中は基本的にアイドリングストップを心掛け、燃費も良くなるような省エネ運転などCO2削減を常に心がけています……と、教科書通りの回答を胸を張って言いたいところですが、正直なところ、まったく省エネ運転に繋がるようなことはしていません。

 さすがに荷主先でアイドリングストップが決められている場所では指示通りやっていますけど、季節によってはアイドリングストップはキツイものがあります。

 春先や秋などは、まぁ良しとしましょう。暖房やクーラーが効かない車内でも待機できますから……。夏の日差しが差し込む猛暑や雪が舞い散る冬場など、「エンジンを切れ」と言われれば切りますけど、とても車内では過ごせたもんじゃありません。
 
 それなのに荷主側は平気で待機させますからね。1、2時間待機などは通常営業でしょ。ひどい時には4時間待機したとか、それ以上待機したとか、経験値のある運転手なら経験済みでしょう。
 
 夏にアイドリングストップの荷主先で待ちの時、僕なんかは外に出て自分のトラックの日陰になる場所に座り込んで呼ばれるのを待ってますからね。エアコン切った夏の車内は悪魔的な暑さですよ。窓開けたところで虫は入って来るし、風がない場所だと車内温度は変わらないし……。
 
 冬場は、まぁ我慢できます。服着れば良いですからね。でも足先は冷え切ってしまうので、その後の作業に支障をきたします。なにより、待機時間は体を休める時間にもなりますので、そこで我慢を強いられたならば、その後の運行に支障をきたすと思います。

 最近は運転手控室なるものが設置された荷主もありますが、やはり少数でしょう。それに控室では、待機はできますが体を休めるまではできません。それならばもっと効率よく待機時間が少なくなるような対応をしてくれたほうが助かります。

 すべての荷主が当てはまるとはいいませんが、狭い構内で長い待機時間、時間指定で到着しているのに待機させられる、効率悪すぎっていうか、どうにかなりませんかね? アイドリングストップも環境には良いとしても、運転手には優しくないです。
 
 話は変わりますが燃料が高騰していて、体力の無い中小零細運送会社は厳しい時代に突入していると思います。幸い僕の会社にはインタンク(自社内に設置された燃料タンク)があるので会社で燃料補給します。400リッター×2の800リッターを背負っているので、九州~関東間なら途中給油無しで往復できます。

 たまに長距離の出先で燃料補給することもありますが、入れても50~100リッターくらいですね。途中給油するのは積荷が重かったり、関東でも場所が遠かったり、東北行った時くらいですね。「外で燃料入れると高いから」ってなったとしても、ガス欠で業者呼ぶよりマシですからね。

ガス欠で大変な思いするよりはマシだけど、外の燃料はやはり高め(写真はSA価格)
ガス欠で大変な思いするよりはマシだけど、外の燃料はやはり高め(写真はSA価格)

 そもそも燃料高騰が会社の経営に影響するっておかしくないですか? 飛行機などは燃料サーチャージ制度があり、高騰した燃料代が利用者に課されます。このシステムならば運賃とは別に燃料代を荷主に求めることが可能なので良いと思います。

 運送業界にも燃料サーチャージ制度はあるのかもしれませんが、航空会社ほど浸透してないでしょう。

 仮に大手運送会社が燃料サーチャージ制度を使っていたとしても、そこから仕事を請け負う中小零細の運送会社が「燃料が高騰しているので運賃とは別に燃料サーチャージで燃料代を上乗せしてもらえますか?」などと要求することなど皆無でしょう。

 やはりそこには親→子→孫などの下請けシステムが蔓延る運送業界の根本的な問題だと思います。

 ネットやSNSでは「大手運送会社以外、零細運送会社は必要ない」などといった心ない書き込みを目にすることがたまにあります。

 僕の見解ですが、高速道路での事故や煽り運転、飲酒運転事故などトラックにまつわるニュースでのネガティブな事実もあるでしょうが、どう見ても「トラック=悪」の図式が成り立っていると思います。

 なので「大手以外の運送会社は必要無い」などの一部ネット民からの意見が出てくると思います。

 同業者としては良い気分はしませんし、大手が仕事を中小下請けに回し、大手が走れない無理な運行を中小下請けが担っているのが現実でしょう。

 物流を支えているのは大手企業だけではありません。その下請け、傭車を含めた運転手が走ってこそ、日本の物流が機能し、生活物資の安定供給に繋がるのだと思います。

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