チューブタイヤとチューブレスタイヤの構造の違い
チューブタイプは、ホイール、タイヤ本体で部品点数が増えます。つまりチューブレスになれば、その分軽量化になるんですね。
チューブタイプのホイールは、ホイール本体とサイドリングで構成され、タイヤにはチューブ、そしてチューブとホイールの間に入るフラップが入っています。
サイドリングはホイールの溝に嵌まり、高圧充填さ、膨れ上がるタイヤを押さえる役目とタイヤの組み換え時にホイールから外れることにより、ホイールからタイヤを外すことを容易にします。
チューブタイプのメリットはこのサイドリングを外す道具、すなわちタイヤレバーやハンマー、L字アングルがあれば、チェンジャー要らずで省エネなタイヤ交換できます(大型クラスの20インチくらいまで。それ以上はチェンジャーがあれば便利な場合があります)。まあ人間的には省エネではないのですがね。
また先ほど出てきましたフラップという部品、業界に長く居る方が使う単語、俗に言う「ふんどし」ってヤツです。
このフラップはチューブとホイールの間に位置しており、主に金属製のホイールからのチューブのダメージを保護する役目なんですが、このフラップもゴム製品で長期使用で劣化して硬化します。その際にひび割れが発生して、このひび割れが原因でチューブを攻撃してパンクに至るケースも少なくはないのです。
交換のタイミングとしては、やはりタイヤ交換時に同時にチューブ、フラップまで交換が望ましく、タイヤ本体価格+チューブ+フラップとなり、多少コスト的には上がる場合もありますね。
車輪の軽量化は、ブレーキ性能、サスペンションの追従性の向上で走行性能の向上へと繋がり、低燃費に貢献します。
パンクに強いのがチューブレスタイヤの最大のメリット
実はチューブレスタイヤはチューブが入っていないとはいえ、チューブみたいなモノは入ってます。入ってるというより構造の一部になっているのですね。
インナーライナーという部材なんですがこれはタイヤの内面に貼り付けてある薄いゴムの部材です。
材質はチューブと同じで空気を通しにくいゴム(ブチル系)です。
チューブタイプは異物を踏んでのパンクの場合、チューブを貫通してできた穴から充填した空気が抜けると同時に、気密性の低いチューブとタイヤの隙間やホイールからエアが漏れてしまい、即座にエア圧は低下しパンクに至ります。
対するチューブレスタイヤの場合は、タイヤとホイールの気密性が高く、異物を踏み抜いた場所からのみエアが漏れていきます。
条件によってはその異物自体が穴に栓をしているカタチになり、エアの漏れるスピードは遅く、場合によっては修理するまでエア漏れを防いでいることもしばしば。
チューブレスタイヤは構造がシンプルな故にタイヤの放熱性が高く、熱によるトラブル回避に繋がってます。
チューブレスタイヤの空気圧はホイールとタイヤの密着性にかかっていて、ホイールの錆、腐食、変形、ひび割れ等が発生した場合、エアの充填、充填圧の保持ができなくなり、タイヤ以外の事由でパンクに至るケースもあります。
このように軽量、シンプルな構造のチューブレス。エアを充填することが前提のホイール、タイヤの構造ですが、これも進化の途中であり、エアレスタイヤが普及してくるとそもそもなぜタイヤにエアを入れていたかという説明コラムも必要になるのかもしれませんね。
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