オフィス街に路駐して大型1台分の積荷を8階まで運べって!? むちゃブリも甚だしい!! トラックドライバーが綴る忘れられないお仕事ワースト3

オフィス街に路駐して大型1台分の積荷を8階まで運べって!? むちゃブリも甚だしい!! トラックドライバーが綴る忘れられないお仕事ワースト3

 ベテラントラックドライバーともなると、いや~な思いした現場は1度や2度じゃありません!! 特に下請・孫請で回ってきた仕事にはそんな現場も多いトカ。現在、海コン運転手をしている渚・涼のパパに、嫌な思いをした忘れられない仕事を聞いてみました。

文/海コンドライバー渚・涼のパパ 写真/フルロード編集部・写真AC(トビラ写真)
(写真はイメージです)
*2021年12月発売「フルロード」第43号より

下請・孫請に楽な仕事は無い!!

荷物が選べない「帰り荷」が少ないときに、ありえない荷物を積まされることが多かったという渚・涼のパパ
荷物が選べない「帰り荷」が少ないときに、ありえない荷物を積まされることが多かったという渚・涼のパパ

 皆さん、こんにちは! 大阪で海コン運転手をやっている「渚・涼のパパ」といいます。

 長年ドライバーをやっていると、忘れられない仕事はたくさん思い浮かびます。印象深いのは、大型雑貨ドライバー時代に「ありえない荷物」を積まされたことです。これは、長・中距離便の「帰り荷」が少ないときに(荷が薄いともいう)よくありました。

 荷物が溢れているときは、配車も荷物を選べるのですが、あまりトラックが行かない地域や荷が少ない時期などは、当然、荷物を選んでいられません。多少、積地が離れていてもオッケーになり、パレット積みにこだわらず、「バラ積みでも積みますよ!」なんてことになります。

 加えて、当時勤務していた運送会社は、発ち便は、直請の仕事が多かったのですが、「帰り荷」は、下請や孫請で回ってくる荷物(「水屋」仕事)がほとんどでした。帰り荷を斡旋する業者が多数介在しており、当然のように、中抜き、中抜きで、末端の実運送業者は、仕方なく安い運賃で走ることになります。

 帰り荷を貰う場合、ドライバーは中抜き業者すべてに電話連絡を入れ、最終に連絡した中抜き業者にやっと積地名と連絡先を教えて貰えて、それからトラックを移動させ、積地に入ることになります。それだけでも相当な手間なのに、荷物が決まらない場合などは「待機場所の確保」も必要になります。

 荷降ろしが終わり、空車となり帰りの斡旋業者に電話連絡を入れると「○○あたりに待機していてください。荷物が出たら連絡入れます」と言われます。指定された場所近辺に大型車を待機できる場所があればよいのですが、都心など止める場所がないので、「邪魔になるかな?」なんて思いながら路上駐車をします。

 路上駐車はドライバーとしても心苦しい部分はあるのですか、突然、斡旋業者から連絡があり「すぐに積地に入って下さい。○○時までに入れないとキャンセルになります」なんて、むちゃブリを言われる場合があり、移動をかけることができません。

 すべてとはいいませんが、こうゆうケースもあるので、仕方なく「路上駐車」をします。そうなると、自車の周りが気になったり、いつ来るかわからない「斡旋業者の電話」も気になります。

 そのような環境なので、熟睡することもできず体調管理がむずかしくなります。運転席で足を上げて仮眠をとるのも「わざと足を痺れさせて、目を覚ますためのもの」という「寝坊防止」の手段に使う場合もあります。

 この業界は、運輸会社(所属チーム)によって「仕事の差」がはっきり表れる業界ともいえます。どの業界もそうかもしれませんが、下請・孫請には「楽な仕事」は回ってきません。

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