一口にトラックといっても、業種・業態によって仕事の内容は千差万別です。
カーゴ系でも路線トラックと宅配では仕事の内容は全然違うし、特装系・建設系・作業車となると、実際にその仕事に就いている人でないとその実際の内容はなかなかわかりません。
そこで業種別にトラックドライバーのリアルな一日を聞いてみました。
その一番バッターは長距離運転手の一日。トラックと聞いて、真っ先に長距離トラックを思い浮かべる人は多いと思います。台数からいっても、長距離トラックは大型車のすう勢を占めているし、長距離トラックはプロドライバーのイメージと重なります。
小倉発の長距離運転手ひろしさんの1航海は、5日間2500kmに及ぶこともざらにありますが、無事故で仕事を終えたときの達成感は格別とか。長距離ドライバーの仕事ぶりに脱帽です!
文/長距離ドライバーひろしさん 写真/フルロード編集部・ひろしさん
*2013年2月発行トラックマガジン「フルロード」第8号より
長距離輸送チャーター便の場合
日本列島一人旅、北九州小倉発の長距離運転手ひろしです。長距離運転手の1日、というより1航海を、大まかではありますがご紹介したいと思います。
長距離の仕事は運ぶ荷物、積み場所、その行き先、帰りの荷物の積み場所、その行き先によってさまざまなパターンがあります。当日配達や翌々降ろし、翌着など書き出したらキリがないんですが、例として自分の会社の運行を元に代表的な2つをご紹介します。。
まずは貸切荷物(一般、チャーター便とも呼びます)です。九州~関東、九州~東北など基本的な運行日程は翌々日降ろしになりますが、例外として九州~関西など翌着(積んだ翌日降ろし)の場合もあります。
九州~関東の場合で説明します。
【1日目】
出社して自分のトラックの運行前点検をして、積み込みに行きます。積み込み終了時間にもよりますが、終わったら会社または自宅に一旦戻り、夕方の渋滞を避けるため夜中まで寝て時間調整を行ないます。
出発するのは日付が変わるくらいになりますが、これは各運転手の体力、体調、走り方によっても違います。翌々日の荷降ろし時間に間に合うように自己判断で出発します。
【2日目】
ひたすら走ります。この日は完全に移動日なので途中で休憩、仮眠をとりながら運行します。道路状況、自分の体調、進み具合、目的地までの残り距離などを考え、高速を利用したり下道を走ったりします。ルートの選択も、やはり運転手の判断で行ないます。
【3日目】
どこの荷物も荷降ろしは8時~9時に開始なので、指定時間もしくは前記の時間までに荷降ろし先に到着しておきます。当然のことながら延着は御法度です。荷降ろしが完了したら、帰りの荷物を確認して、帰り荷を積むために移動します。
帰り荷が貸切で翌々日着の場合は、この3日間の動きと同じ感じで九州に帰って行きます。
うちの会社は帰りの荷物の行き先はほぼ九州なので、翌々で上り、翌々で帰る場合は1航海が5日の行程となります。会社によっては必ずしも自分の会社方面の帰り荷を積めるとは限りません。
例えば九州の会社でも大阪までの荷物しか積めなくて、大阪で荷降ろしして関東行きを積んで、関東で……。これを繰り返すといつ自宅に帰れるかわかりません。
実際、自分の後輩にこのような行程で運行してる者もいて、月に2回くらい家に帰れたら良いほうらしいです。貸切便(翌々)は積み込みから荷降ろしまで比較的時間に余裕もあり、九州~関東間でも走り方次第では楽な運行になります。
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