フジタ自動車工業がジャパントラックショー2024に出品した「軽量型歩み板」は、材質&構造を抜本的に見直すことで大幅な軽量化を達成。従来製品との違いをレポートしてきました。
文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
素材と構造を見直して従来比500kgの軽量化を達成!!
フジタ自動車工業は重機運搬車を得意とする香川県の車体架装メーカー。ジャパントラックショー2024には、重機を運搬するトレーラ用の新製品「軽量型歩み板」を出品した。歩み板とは、重機の積み降ろし時に荷台と地面の間に設置する板のことだ。
同社が従来からトレーラ用にラインナップしている「ハサミ式自動歩み」は、緩やかな乗り込み角度を実現する構造から、地上クリアランスが低い道路舗装用機械等の運搬で好評となっている。
一方、ユーザーからは「もっと積載量を取りたい」という声が多く寄せられていたという。そこで今回、歩み板本体の材質、構造の抜本的な見直しを実施。これにより強度を維持したまま、約40%の軽量化を実現したという。
新製品は、材質にスウェーデンスティール社の耐摩耗鋼板「HARDOX」を同社として初採用しているのが大きな特徴。HARDOXは、従来の鉄板よりも高い硬度と靭性を持つため、強度を維持したまま板厚を薄くすることができ、軽量化に寄与する。
また、従来の歩み板は基本骨格に鉄板を組み合わせたフレーム構造を採用していたが、新製品はシンプルなモノコック構造を採用。HARDOXとモノコック構造の採用により、本体重量を従来の1280kgから780kgまで落とし、500kgの軽量化を達成している。
これにより積載量が500kgプラスになるのはもちろん、装置の展開/格納を行な開閉ワイヤーや油圧シリンダーの負担も軽減されるので、長寿命化やメンテナンスコスト低減も期待できる。
ちなみに、同社ブースに展示されていたトレーラは2号車で、1号車はすでに現場で使用されているそう。ユーザーからは「軽いのに、重いものを積んでも大丈夫」との評価をもらっているそうだ。
なお同社では、今回の製品開発のノウハウを活かし、今後は主力製品である単車の重機運搬車の歩み板の軽量化にも取り組みたいとしており注目だ。
耐久性アップと軽量化を実現する樹脂製歩み板サポートとは?
同社がジャパントラックショー2024に出品していたもう1つの新製品が「樹脂製歩み板サポート」だ。
アルミ製歩み板の下に置き、長さを延長することで、乗り込み角度を緩やかにして、地上クリアランスが低い道路舗装用機械などの積み降ろしをしやすくするもの。
従来は木製だったが、経年劣化による割れ防止のため樹脂を採用。木よりも耐久性があるので長く使えて、かつ若干の軽量化にもなるのが魅力だ。
展示品は長さ2200mmのアルミ製歩み板に1500mmのサポートを組み合わせた例。1500mmのサポートは重さ20.0kgとなっている。同社ブースには、このほかにも多数のバリエーションが展示されていた。
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