いすゞ自動車は7月1日、小型トラック「エルフ」「エルフミオ」の4輪駆動(4WD)モデルを発売した。エルフは2WDモデルに続く7代目へのフルモデルチェンジ、エルフミオは普通免許で運転可能な国産唯一のディーゼル4WDトラックとなる。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/いすゞ自動車、フルロード編集部
フルモデルチェンジの新型エルフ4WDシリーズ

4WDの小型トラックというとニッチモデルに聞こえるが、実際には東北や北海道など降雪地域ではポピュラーな存在で、エルフでは4WDモデルにも標準キャブ/ハイキャブ/ワイドキャブを設定、完成車として平ボディ、ダンプ、ドライバン、温度管理バン、1台積車載車を展開してきた。
今回のフルモデルチェンジは、2023年に7代目へ一新した現行2WDモデルに準じるもので、キャビン内外装の一新、自動変速機として9速デュアルクラッチ(DCT)式の「ISIM(アイシム)」の導入、先進運転支援システム(ADAS)の新機能導入およびパッケージオプション展開を採用している。
ADASは、現行型2WDモデルに先行してアップデートが行なわれており、「交差点プリクラッシュブレーキ(右左折時)」に対向車両の検知機能を追加(現行型は対向歩行者のみ)、被害軽減ブレーキの作動対象を拡充することで、右左折時の衝突事故リスクを低減している(ADASパッケージオプションの『スタンダード』『アドバンス』『プレミアム』に装備)。
また、ADASパッケージオプションの『プレミアム』のみ装備する「ドライバー異常時対応システム(EDSS)」では、運転手の異常を検知した際に作動する車両停止機能が、新たに車線維持支援(LKA)と組み合わせた「車線内停止機能」へと進化している。なお、ADASパッケージオプション価格は従来と変わらず、アップデートに伴う値上げはない。
4WDにもスペースキャブを新設
7代目エルフでは新たなキャビン形態として、標準キャブのシートバック部を約300mm後方へ延長した「スペースキャブ」を設定したが、4WDシリーズでも車両総重量5トン・積載量2トン車型(NJS)で選択可能となっている。
なお、エルフ4WDシリーズの駆動システムは従来モデルと同様で、標準キャブ/ハイキャブがVCU式トルクスプリット型パートタイム4WD、ワイドキャブがVCU付センターデフ式フルタイム4WDを搭載し、全車型がフルフラットロー(全低床)シャシーとなっている。パートタイム4WDの標準キャブ/ハイキャブは、2WD走行と4WD走行の選択が可能で、トランスファ操作スイッチとマニュアルフリーホイールハブを装備する。
※VCU:ビスカスカップリング(流体クラッチ機構の一種)
エンジンはエルフ4WD全機種が、最高出力150PS・最大トルク38.2kgmの3.0リッター直噴ディーゼル「4JZ1-TCS」を搭載する。JH25モード燃費基準値に対して、マニュアルトランスミッション車がプラス5%超過達成、ISIM搭載車がプラス15%超過達成となり、一部のマニュアル車型以外は重量税減免、自動車税非課税の対象となる。
コメント
コメントの使い方