日野チームスガワラのHINO600シリーズを待ち構えていたのは、柔らかい砂地が多い過酷なステージだった。
しかし、この砂丘のステージをノースタック・ノーパンクでクリア! 累積順位も15位に浮上。着実にポジションアップする菅原照仁選手の粘りの走りは、まさに父でありダカールの鉄人である菅原義正氏譲りである。
文/フルロード編集部・日野自動車・多賀まりお 写真/日野自動車・ASO
【画像ギャラリー】父・義正譲りの粘りの走りで菅原照仁、過酷な砂丘のステージをノースタック、ノーパンクでクリア!(9枚)画像ギャラリーハイスピードコースから砂丘地帯へ
11日のステージ9はワディ・アド・ダワシールを基点にしたループコース。昨日到着した同市の西方にある山間地で286.96kmのSS(競技区間)が行なわれた。
柔らかい砂と石の多い区間が交互に現れるこの行程を、日野チームスガワラのHINO600シリーズは目立ったトラブルやミスなく走破。トラック部門16位の成績でゴールし、同日までの累積順位は総合15位に浮上した。
この日はまずビバークからリエゾン(移動区間)で93.29km移動。SSは砂地の台地からスタートし、序盤は複数のワダチが広がる広い丘陵を行くハイスピード区間だったが、やがて狭い谷を抜けて砂丘地帯へ。
前日ほどの難易度ではないが砂は柔らかく、スタックしないよう細心の注意が必要だった。
中盤には埃っぽいワジ(枯れ川の底)を通過し、再び砂丘越えが登場。終盤はハイスピードで走れる砂地の丘陵を抜けてゴールに到達。その後再び110.96kmのリエゾンで北上してビバークに帰還した。
砂丘地帯もノースタック・ノーパンクでクリア!
菅原照仁/染宮弘和/望月裕司組のHINO600シリーズは昨晩ビバークでターボチャージャーを交換。過給圧が上がらない不具合は解消され、SSを順調に走行した。
序盤にナビゲーションの分かりにくい区間があったが、ミスなく通過。何度か現れた砂丘はそれほどむずかしくなく、最後までノースタック、ノーパンクで無事ゴールした。
車両がワディ・アド・ダワシールのビバークに戻ったのはまだ明るい午後4時半ごろ。待ち受けていたメカニックたちが早速点検作業に取り掛かった。
ダカール2022もいよいよ終盤戦。12日はワディ・アド・ダワシールから北上して最終ビバーク地のビーシャへ向かい、途上で374kmのSSが予定されている。