過給圧が上がらない不具合は解消!? ステージ9をノーミスでクリアし累計順位を着実にポジションアップ!!【ダカールラリー2022】

過給圧が上がらない不具合は解消!? ステージ9をノーミスでクリアし累計順位を着実にポジションアップ!!【ダカールラリー2022】

 日野チームスガワラのHINO600シリーズを待ち構えていたのは、柔らかい砂地が多い過酷なステージだった。

 しかし、この砂丘のステージをノースタック・ノーパンクでクリア! 累積順位も15位に浮上。着実にポジションアップする菅原照仁選手の粘りの走りは、まさに父でありダカールの鉄人である菅原義正氏譲りである。

文/フルロード編集部・日野自動車・多賀まりお 写真/日野自動車・ASO

【画像ギャラリー】父・義正譲りの粘りの走りで菅原照仁、過酷な砂丘のステージをノースタック、ノーパンクでクリア!(9枚)画像ギャラリー

ハイスピードコースから砂丘地帯へ

 11日のステージ9はワディ・アド・ダワシールを基点にしたループコース。昨日到着した同市の西方にある山間地で286.96kmのSS(競技区間)が行なわれた。

 柔らかい砂と石の多い区間が交互に現れるこの行程を、日野チームスガワラのHINO600シリーズは目立ったトラブルやミスなく走破。トラック部門16位の成績でゴールし、同日までの累積順位は総合15位に浮上した。

ステージ9の石の多い地帯を駆け抜けるカマズ43509

 この日はまずビバークからリエゾン(移動区間)で93.29km移動。SSは砂地の台地からスタートし、序盤は複数のワダチが広がる広い丘陵を行くハイスピード区間だったが、やがて狭い谷を抜けて砂丘地帯へ。

 前日ほどの難易度ではないが砂は柔らかく、スタックしないよう細心の注意が必要だった。

 中盤には埃っぽいワジ(枯れ川の底)を通過し、再び砂丘越えが登場。終盤はハイスピードで走れる砂地の丘陵を抜けてゴールに到達。その後再び110.96kmのリエゾンで北上してビバークに帰還した。

レース序盤の丘陵地帯を抜けると中盤には砂丘郡も再び登場

砂丘地帯もノースタック・ノーパンクでクリア!

 菅原照仁/染宮弘和/望月裕司組のHINO600シリーズは昨晩ビバークでターボチャージャーを交換。過給圧が上がらない不具合は解消され、SSを順調に走行した。

 序盤にナビゲーションの分かりにくい区間があったが、ミスなく通過。何度か現れた砂丘はそれほどむずかしくなく、最後までノースタック、ノーパンクで無事ゴールした。

ノーミスで無事ワジ・アド・ダワシールのビバークに到着したHINO600シリーズ

 車両がワディ・アド・ダワシールのビバークに戻ったのはまだ明るい午後4時半ごろ。待ち受けていたメカニックたちが早速点検作業に取り掛かった。

 ダカール2022もいよいよ終盤戦。12日はワディ・アド・ダワシールから北上して最終ビバーク地のビーシャへ向かい、途上で374kmのSSが予定されている。

早速、点検整備に取り掛かるメカニックたち

日野チームのメンバーのコメント

菅原照仁
 今日のコースはトリッキーだったりナビゲーションで差がつくことは少ない、車両の実力を図るのに適したステージでした。その意味で16位という結果は現在のポテンシャルを端的に示していると思います。

 ブースト圧の件は解決しましたが、なんとなくエンジンが重い印象でした。ともあれあと3ステージ。引き続き集中して臨みます。

染宮弘和
 真下に排気管が通るナビ席は走行中にとても熱くなります。昨晩エアコンのダクトで工夫してもらい、シートはかなりラクになりました。ナビゲーションのむずかしいところは幾つかありましたが、ミスなくクリアできました。

望月裕司
 交換したターボのパフォーマンスが期待したほどでなく、エンジニアとしては悩ましい気持ちです。SS中は砂と堅いところが交互に出てくるのでCTIS(集中タイヤ空気圧調整システム)の調整がむずかしかったのですが、パンクせずにゴールできて良かったです。

ターボチャージャーを点検する望月裕司

【従軍記者・多賀まりおの「ダカール2022」短信】
飛躍的に向上したダカールラリーの食事事情

 現在、ダカールの競技期間は約2週間。この間は主催者が設営するビバーク地が関係者の生活の場になります。

 ビバークには車両を整備したりテントを張ったりするスペースとトイレ/シャワーブースが用意されるほか、食事と飲料水が供給されます。

 一部のチームはドライバー/ナビゲーターをホテルに宿泊させたり、ビバークに自前の食材を持ち込んで調理したりしますが、ほとんどの参加者は主催者の用意した食事を摂り、ビバークに宿泊しています。

 供給される食事の内容はビバークの物流環境の変化とともに豪華?になってきました。79年の第1回大会は供給なし。

 80年から90年代初頭まではトラックの荷台に備えつけたボイラーで温めた缶詰とパン、それに粉末のスープが夕食のメインでした。缶詰の中身は日替わりを謳っていましたが、小職には毎日同じに感じられました。

 食べる場所も露天に立食のテーブルが用意される程度です。朝はインスタントコーヒーとパン、昼はエネルギーバーやスナック、缶ジュースなどが入ったランチパックが配られました。

 90年代中期以降は食事の質が飛躍的に改善され、調理した料理をプラスチック製のお皿で頂くスタイルに……。

 メニューは分かりやすく言えば機内食のようなもので、あらかじめ調理したものを湯煎して出すスタイルです。

 この方式は現在まで受け継がれていますが、徐々にステーキなど現場で調理したメニューが増え、サイドメニューでレトルトソースのパスタも食べられるようになりました。

他クラスとなるがレッドブルチームの食事風景。昔に比べればかなり豪華!!

 お味は依然機内食レベルですが、ときどき大外れをするのでお醤油は常に持っていた方が良い。また、サウジアラビアではアルコールが頂けないのが個人的には辛いです。

 ともあれ人里離れたビバークで2500人分の食事を準備するのは大変な仕事です。メカニック、競技スタッフ、メディカルなど仕事向きによって食事の時間はマチマチ。

 選手が競技を終えて夕食を摂れる時間は毎日不確定なので、食事の供給は事実上の24時間体制です。

 疲れた顔でも笑顔で食事を渡してくれるスタッフの方々にはみんな感謝していると思います。

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