リボーン! いすゞの名車「エルフマイパック」

リボーン! いすゞの名車「エルフマイパック」

国産初のFFトラックに触れる

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 いすゞ自動車の藤沢工場にて行なわれた、メディア向けのヒストリックカー撮影会。用意されたクルマは、商用車も乗用車も手がけるいすゞらしい顔ぶれ。おそらくマニアなら涎で水たまりができるレベルだろう。登場したのは今年のモーターショーに出品されたウーズレーCP型トラックをはじめ、117クーペやエルフマイパックなど名車ばかり。歴史的なヒストリックカー(個人的には特に70年代)が一台走るたび、我々のテンションはあがっていくのだった。

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フルレストアされたエルフマイパックKUD20型

 このなかで注目したいのが国産初のFFトラックであるというエルフマイパック。1972年に登場した二代目エルフの派生車種あるいは兄弟車といった位置づけのトラックである。何かとおもしろいクルマだと噂には聞いていたが、なかなか実物を見る機会がなく、このたび記念すべき初対面となった。FFトラックといえば、日野が最近開発し話題となった超低床EVトラック(本誌第9号で特集)が記憶に新しいが、これと似たコンセプトのトラックが40年前に存在していたことにまず驚かされる。荷役の多い小型トラックにとって、その省力化がもたらされる荷台の底床化は永遠のテーマだ。エルフマイパックはFF方式を採用することで架装性を向上させ、それを最初に可能にしたトラックだった。また特装用途でも重宝されたという。生産自体は短期的なものに終わってしまったが、その先を行き過ぎた画期的なコンセプトは、いまこそ見直されるべきかもしれない。

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FFレイアウトによりメインフレームを低床化し、床面地上高450mmを実現する

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エンジンはフロントオーバーハングに搭載。トランスミッションも前に寄せて搭載される

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エンジンには運転席からアクセスできるが、音が気になるところ

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かかりは悪かったが、エンジンは好調。超低床など荷台を架装した姿を見てみたい

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今号では、昨年2月中旬から出荷を再開した日野プロフィアの2024年モデルに試乗。燃費性能と安全性能もアップし、新設計AMTで走りも別モノに進化した新モデルの実力に迫ります。また、「だれでもトラック」いすゞエルフミオEVの公道試乗を実施。AT限定普通免許で運転できるEVトラックの魅力をお伝えします。大好評の「働くクルマの大図鑑」は、飲み物を運ぶその究極のカタチ「ボトルカー」を特集しました。ボトルカーの構造から製造工場のレポート、知られざる歴史、さらにはeキャンターのボトルカーの試乗レポートまで盛りだくさんの内容になっています。