今日、ホテル・ニューオータニで開かれた日野自動車の「新ハイブリッドシステム実証モニター運行開始合同記者会見」では、来年小型トラックに搭載する新ハイブリッドシステムの概要が遂に明らかにされた。
それによると、?エンジンとモーターの間にクラッチを設けることで、モーターのみでの走行を可能にし、また制動エネルギーを回生する効率も大幅に向上させた。?ハイブリッドシステムの制御を改良し、大幅な効率の向上を図った。?ハイブリッドシステムの主要コンポーネントを軽量・コンパクト化して新規に開発。併せて性能向上も実現した……というもの。さらに熱効率を向上させた専用エンジン、および伝達効率を向上させた専用トランスミッションも新開発し、ハイブリッドシステムの改良と併せて大幅な燃費向上を実現。代表的な走行条件である都市内走行を想定した社内試験では、ベースとなるディーゼル車に対して約50%の燃費向上という結果が得られたという。
バッテリーは、レクサスGS450hと同じものを共用するなど(従ってニッケル水素)、トヨタグループの強みを活かし、数年でハイブリッドシステムのイニシャルコストのアップ分を回収できる、本当にメリットが実感できるハイブリッドシステムであるという。ちなみに白井芳夫日野自動車社長は、記者会見の席上、将来的には小型トラックの5割がハイブリッドになるという見通しを語った。
この新ハイブリッドシステムは、伊藤園、佐川急便、西濃運輸、綜合警備保障、ヤマト運輸、郵便事業の6社で、近くそれぞれ1台ずつ実証モニター走行に供される予定。記者会見には6社の担当者も出席し、白井日野社長を真ん中に写真撮影に応じていた。
1991年に初めてハイブリッドバスを市場に投入して以来、日野のハイブリッドバス/ハイブリッドトラックは、すでに1万1000台近くが生産されている。その20年の間には、何度も改良が繰り返され、より実用的なハイブリッド車に進化してきているが、今回の新ハイブリッドシステムは、その中でも最も「長足の進歩」を遂げたものといっても過言ではないだろう。いよいよハイブリッドトラックも、普通のユーザーが普通に選ぶ時代が到来しそうである。 (キャップ)