日本車大国のインドネシアに異変!? 電動商用車で中国メーカーがシェアを拡大中!

日本車大国のインドネシアに異変!? 電動商用車で中国メーカーがシェアを拡大中!

 インドネシアといえば日本車のシェアが非常に高いことで知られ、特に商用車は「コルトディーゼル」(三菱ふそう「キャンター」)が市場シェアの過半数を占めた時期もあり、日本メーカーが圧倒的な存在感を誇っていた。

 ただし、電動化でこの優位も揺らいでいる。同国の大手エネルギー・鉱山開発企業が中国の三一グループから大型BEVトラクタを調達するなど、電動商用車で中国メーカーのシェア拡大が続いている。

文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/SANY Truck

三一グループ、インドネシアに大型BEVトラックを納入

日本車大国・インドネシアに異変!? 電動商用車で中国メーカーがシェアを拡大中!
西安で開催された記念セレモニー

 中国の建設機械メーカー・三一重工(SANY)グループはインドネシアの大手エネルギー企業・PTサプテインドラ・セジャティ向けにバッテリーEV(BEV)大型トラック「SE588」15台と鉱山用ダンプ「SKT130S」30台を納車し、両社の役員等が出席する式典を行なった。

 インドネシアは成長著しいASEANの巨大市場だが、従来は日本の自動車メーカーの牙城で、とりわけ商用車市場では三菱ふそうだけで45%(2013年)という圧倒的なシェアを記録したこともあった。

 ただ、近年は電動化を契機に中国系メーカーの躍進が続いている。

 5月9日に陝西省西安で開かれた式典のあと、顧客側の代表団は三一のスマート工場を視察し、インドネシア向けSE588に試乗した。

 三一は2025年後半にトライアルとしてSE588の最初のユニット2台をインドネシアに出荷しており、顧客がこのBEVトラックを非常に高く評価したことから本格導入に繋がった。今回納車されたのは15台だが、サプテインドラはさらに数百台規模での調達も計画しているそうだ。

 同社は石炭の輸送などを行なっており、トレーラ2台を連結し総重量が最大220トンに達するダブルトレーラをSE588でけん引する運用となる。この総重量と熱帯雨林の気候、鉱山での複雑な運用は、BEVトラックには過酷な条件と言えるが、高い稼働率と大幅な運用コストの削減を実現し、鉱山会社の信頼を勝ち取った。

 両社の幹部が協議を行ない、三一の新エネルギートラックをインドネシアの鉱山現場全体に展開するためのロードマップを共同で策定したという。インドネシアにおける日本の商用車メーカーの圧倒的優位は、崩れ始めている。

三一の「SE588」トラックとは?

日本車大国・インドネシアに異変!? 電動商用車で中国メーカーがシェアを拡大中!
式典の後はスマート工場の視察と、インドネシア向けSE588の試乗が行なわれた

 三一重工はコンクリート機器では世界的な大手で、ドイツのプツマイスターなども今は三一グループの傘下だ。日本では福島第一原発の事故の際に、冷却のために注水するコンクリートポンプ車を提供してくれたメーカーとして記憶している人も多いだろう(国産車ではブーム長が足りなかった)。

 BEVトラック市場にも参入しており、SE588は6×4のBEVトラクタとなる。588kWh容量のバッテリーは、スワップ(バッテリー交換)にも対応している。充電器2基を使ったデュアルガン式のDC急速充電により20-80%充電に55分、スワップなら5分だ。

 SE588には許容連結総重量80トンの「コンポジット」バージョンと、トレーラ1台当たり同120トンの「スーパー」バージョンがある。異なるのはアクスルの定格荷重などで、搭載するパワートレーンはどちらも同じ。電動モーターはピーク値で480kW(650hp)/2800Nmを発揮する。組み合わせるトランスミッションは6段AMTで、トランスミッションPTOを備える。

 航続距離は最大455kmで、気温や標高など極端な環境にも対応できるBEVトラックとなっている。

【画像ギャラリー】インドネシア向けのSANY「SE588」と記念式典(5枚)画像ギャラリー

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