北米トヨタが燃料電池トラックの展開でハイロード社と戦略提携! 北米市場で過去最大規模の水素トラックを配備

北米トヨタが燃料電池トラックの展開でハイロード社と戦略提携! 北米市場で過去最大規模の水素トラックを配備

 トヨタ自動車の北米法人がハイロード・エナジー社との提携を発表した。ハイロードは、破産したニコラの車両・部品・知的財産などを取得しており、今回の合意に基づいて40台の燃料電池大型トラックを北米トヨタの輸送業務に配備する。

 これは北米市場の水素トラックとしては過去最大規模の導入事例になるという。

 トヨタはカリフォルニア州で水素供給インフラの開発を行なっており、燃料はここから供給される。大型水素トラック1台の運用にはトヨタ「ミライ」12台分の水素が必要で、水素の需要と供給を拡大するには水素トラックの配備を進めることが重要になっている。

文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/Toyota Motor Sales, U.S.A., Inc.・Hyroad Energy

北米トヨタがハイロードと戦略提携

北米トヨタが燃料電池トラックの展開でハイロード社と戦略提携! 北米市場で過去最大規模の水素トラックを配備
北米トヨタの燃料電池トラック。左はケンワースの「T680 FCEV」、右はニコラ「トレ」がベースと思われる。なお、ケンワースは燃料電池車の計画を延期、ニコラはすでに破産している

 トヨタ自動車の北米法人であるトヨタ・モーター・ノース・アメリカ(北米トヨタ)は2025年5月4日、水素による輸送ソリューションのパイオニアであるハイロード・エナジー社と、クラス8大型トラック40台を南カリフォルニアに導入する契約を締結したと発表した。

 ハイロードは燃料電池トラックを開発していたニコラの水素事業からスピンオフした企業で、ニコラの破産競売を通じて同社の水素燃料電池トラック117台とスペアパーツ、ソフトウェアプラットフォーム、知的財産権を取得している。このため、ニコラ製トラックのオーナーに対するメンテナンス、サポート、車両管理、修理と部品供給などのサービスはハイロードが提供している。

 今回の合意は、北米市場で過去最大規模の商用水素トラックの導入事例となる。発表は米国の先進輸送ソリューションの展示会、ACT(アドバンスト・クリーン・トランスポーテーション)エキスポで行なわれ、トヨタブースにはハイロードのトラックも展示された。

 ハイロードは北米トヨタに対してトラックとメンテナンス、データおよびソフトウェアを提供し、トヨタの輸送業務を支援する。トヨタはカリフォルニア州に自社向けの水素補給インフラを開発しており、燃料となる水素へのアクセスが可能だ。水素利用を拡大したいトヨタと、インフラを必要としてハイロードで思惑が一致した形だ。

 両社は、水素トラックによる輸送エコシステムが機能するために必要な、相互に関係する要素技術(車両、ソフトウェア、燃料インフラ)を、一つの枠組みのもとに統合するという。

 トヨタ・ハイドロジェン・ソリューションズのジェイソン・ザホリック氏は次のように話している。

「水素経済を加速するにはコラボレーションが不可欠であり、ハイロード社と協力して大型トラック分野の取組を推進できることを誇りに思います。(水素による輸送エコシステムの)実現に向けてクリティカルな要素を結集し、燃料電池がサプライチェーンに具体的な価値をもたらし、水素経済の基盤となることを実証します。

 私たちは水素を通じて、よりクリーンで、より力強く、そしてエネルギー自律型のモビリティというビジョンを共有しています」。

1台で「ミライ」12台分! 大型トラックが水素社会の鍵に

北米トヨタが燃料電池トラックの展開でハイロード社と戦略提携! 北米市場で過去最大規模の水素トラックを配備
破産したニコラから車両や知財を購入したのが、同社からスピンオフしたハイロード社。破産オークションで燃料電池トラックを117台取得しているが、内40台がトヨタ向けになりそう

 トヨタは燃料電池の開発において30年以上の経験をもち、今回の合意も水素事業に対するより大規模な取組の一環となる。同社は水素バリューチェーンに多額の投資を行なっており、燃料電池セルだけでなく充填インフラなども開発している。

 北米トヨタが水素エコシステムの真価を実証するために重視しているのが商用トラック輸送だ。米国の大型車区分で最も大きいクラス8トラックだと、1台でトヨタ「ミライ」12台分(70kg)の水素を搭載可能。大型トラックは稼働率が高いため消費量はそれ以上だ。水素の需要と供給を拡大するには、大型水素トラックが不可欠とされる所以である。

 水素燃料電池をパワートレーンとするクラス8セミトレーラ連結車は、燃料の補給に15~20分かかる。これはディーゼルトラックと同等で、1回あたり500マイル(約800km)を走行可能だ。異なるのは排気ガスで、燃料電池トラックが排出するのは水蒸気だけとなる。

 ハイロードのフルサービスモデルは、トラックとメンテナンス、フリート管理ソフトウェアを包括的に提供するもので、商用フリートとして代替燃料車を導入する際の課題となっていた複雑性を排除する。

 また、メーカーやOEMに依存していないため、複数の供給元から車両や水素、メンテナンス、ソフトウェアなどを組み合わせて事業者にソリューションを提供できることも強みだという。同社の創業者でCEOを務めるドミトリー・セロフ氏は次のように話している。

「真のパートナーが行なうべきことを、トヨタはまさに実行しました。同社は水素に関する確かな専門知識を提供し、戦略的な意思決定を行ないました。誰かが水素エコシステムを構築してくれるのを待つのではなく、自ら投資を行なっています。

 だからこそ、今回の提携が意義深いものになります。車両とソフトウェア、燃料供給、そして実際の運行、この全てが揃った時、水素トラックによる輸送は成功します」。

【画像ギャラリー】北米トヨタが導入するハイロードの大型燃料電池トラック(3枚)画像ギャラリー

最新号

【解説&試乗】いすゞ新型ギガ ファイブスターギガ ここに極まる。フルロードvol.60 本日(3/10)発売!!

【解説&試乗】いすゞ新型ギガ ファイブスターギガ ここに極まる。フルロードvol.60 本日(3/10)発売!!

自動車雑誌ナンバーワンの「ベストカー」が送るトラックマガジン「フルロード」!! 最新VOL60本日発売です! 今回もトラックの話題が満載!! ぜひお近くの書店などでお求めください!!