大型トラックで世界初!! ボルボが走行中にエンジンをオフにする「ストップ・スタート」エンジン技術を開発

大型トラックで世界初!! ボルボが走行中にエンジンをオフにする「ストップ・スタート」エンジン技術を開発

 ボルボ・トラックスは大型トラックの新たな省燃費技術として、走行中に一時的にエンジンを停止する「ストップ・スタート」エンジン技術を2025年11月4日に発表した。大型トラックにこうした機能が搭載されるのは世界で初めてになるという。

 道路の勾配や曲率半径などを常時監視し、一定の条件のもと下り坂でエンジンを停止するもので、ギアをニュートラルに入れてアイドリング回転数まで下げる惰性走行(フリーホイール)機能の発展形として「I-Roll」に組み込まれる。

文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/AB Volvo

ボルボ、走行中にエンジンを停止する省燃費技術

大型トラックで世界初!! ボルボが走行中にエンジンをオフにする「ストップ・スタート」エンジン技術を開発
走行中にエンジンを停止する省燃費技術は大型トラックでは世界初になるという

 スウェーデンに本社を置く商用車メーカー、ボルボ・トラックスは省燃費機能の「I-Roll」に新技術を導入する。走行中のエンジンの「ストップ・スタート」機能で、こうした機能が大型トラックに搭載されるのは世界で始めてだという。

 新機能によりディーゼルエンジンの燃料消費とCO2排出を抑え、環境インパクトの低減と運送業のランニングコスト削減を目指す。

 ボルボは最近、同社の最新の大型トラックとなる「FHエアロ」で「2025グリーントラックアワード」を受賞しており、欧州メーカーとして最も優れた省燃費技術を展開していることを実走行試験により証明した。

 2024年に導入した「エアロ」キャブは空力改善を通じて燃料消費とCO2排出を大きく削減するものだった。

 更なる燃費改善に向けた開発が社内で続けられ、地形を先読みして事前に最適なギア段を選択する「I-See」や、ギアをニュートラルに入れてアイドリング回転数での惰性走行(フリーホイール走行)を行なう「I-Roll」など既存の技術に新たな機能が追加された。

 新機能となる「ストップ・スタート」エンジン機能は、I-Rollの一部として地形と道路の曲率を常に監視しており、前方のルート上に下り坂があるときに、一定の条件のもとで一時的にエンジンをオフにする。

 いわば、アイドリング回転数まで下げるフリーホイール機能の進化版で、エンジン停止となれば当然ながら燃料は消費しないし、CO2も排出しない。

 同社のプロダクト・マネージメントを担当するヤン・ヘルムグレン氏は次のように話している。

「弊社のエンジニアたちがまたやってくれました。この新しいエンジン技術は、トラック輸送の燃料消費をさらに削減します。内燃エンジンを改善するために革新を続け、環境負荷を低減することは、私たちの脱炭素戦略の一つです」。

 新しいエンジン制御技術は、時速60km以上で走行中にアクティベートすることができるが、作動には地形や気温などの条件も影響する。燃費では既に最高水準にあるボルボの大型トラックは、ストップ・スタートエンジン機能が追加されたI-Rollにより、さらに最大で1%の燃費向上を実現するという。

 こうした技術革新は、運送業の効率化と排出削減に良い影響を与えるとともに、事業者の運行コストの削減にも貢献する。

 新機能は「ボルボFH」および「ボルボFHエアロ」の13L級ディーゼルエンジン搭載車で利用でき、顧客は(欧州では)2025年11月から注文可能だ。

 ボルボの脱炭素戦略は、このほかにも再生可能燃料による内燃エンジン、バッテリーEV(BEV)、燃料電池EV(FCEV)などがあり、方法論に縛られない技術中立なアプローチを採用している。

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