欧州で建設用トラックの電動化が急加速! 特装車への電力供給が進化し実用化の道を拓く【バウマ2022】

既に量産を開始しているeアクトロス300

 コンセプトやプロトタイプではない市販のBEVトラックとしてはeアクトロス300のフックリフト(コンテナタイプの荷台をフックにより脱着可能なトラック)も出展された。

 PTOにはZFの「eワークス」を採用し、フックリフトはマイラー製。eワークスもモーター、インバーター、制御ユニットなどを一体化した電動PTOだ。なおトラックと架装物の通信にはCAN-Busインターフェイスを使う。

 電動PTOではエンジンやトランスミッションとの機械的な接続は不要になる。PTOによる動力を常時必要とするミキサー車とは異なり、脱着式のコンテナを荷台とするフックリフトでは、脱着時を除いて動力を必要としない。機械的な接続がないため、走行時の無駄なエネルギー消費が抑えられる。

 既に量産を開始している大型BEVトラックであるeアクトロス300は、新世代のデジタルミラーや自動ブレーキ、巻き込み防止警報など、特装車に求められる安全装備も充実している。

 eアクトロス+eワークスの組み合わせは、この他にパルフィンガーもスキップローダーを展示していた。

 欧州で販売される「メルセデス・ベンツ」ブランドのトラックは、5台の内1台が建設業界向けだという。これは長距離輸送用に次いで2番目に大きなセグメントとなる。2030年までに欧州で販売するトラックの60%をCO2ニュートラルにするという目標を掲げる同社にとって、建設用トラックの電動化が極めて重要になっている。

 BEVトラック用の電動PTOが相次いで登場したことで、建設セクター向けの特装車で電動化を阻んでいた障害が一つなくなった。欧州のみならず世界で電動特装車の勢いが加速しそうだ。

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