日野自動車における認証試験不正行為が発覚した、同社製ディーゼルエンジン「E13C」(12.9リッター)と「P11C」(10.5リッター)を搭載する大型車・建設機械のリコール届出が公表された。大型トラック・大型バス約2万1600台、建機約1300台の計2万2900台が対象となる。
いずれも国が定める排出ガス規制値に対し、窒素酸化物(NOx)の排出値がオーバーする可能性がある。ただし恒久的な改善対策は決まっておらず、当面は暫定措置を実施する。恒久対策が決定した場合、改めて措置が行なわれる。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/「フルロード」編集部、日野自動車、いすゞ自動車、加藤製作所、コベルコ建機
【画像ギャラリー】約2万2900台の大リコール! 日野の大型エンジンを搭載したバスと建機の「改善箇所説明図」より(4枚)画像ギャラリー劣化耐久試験の不正でNOx増の可能性
リコールは、日野自動車の平成28年排出ガス規制対応「E13C」エンジンを搭載する大型トラック「プロフィア」が2万202台、大型観光バス「セレガ」全長12m車が898台の計2万1100台。加えて同エンジンを搭載する、いすゞ自動車の大型観光バス「ガーラ」全長12m車の493台も対象となる。
さらに今回は、日野自動車が建機メーカー2社へ供給した、特殊自動車4次排出ガス規制対応エンジンについても、約1300台がリコール対象となっている。
1社は、加藤製作所向けで、80トン吊ラフテレーンクレーン(KR-80H)用に661台が供給された「E13C-YS」エンジンが対象である。
もう1社は、コベルコ建機向けで、クローラ式油圧ショベル(SK1300DLC-10)用に23台が供給された「E13C-YM」エンジンと、クローラ式クレーン(7120G-2/7200G-2/BM800G-2/BM1000G-2およびクローラ式油圧ショベル(SK470-10/SK500LC-10)の計6機種用に供給された633台の「P11C-VN」エンジンが対象である。
いずれも、日野自動車社内で実施された認証試験の一つ「劣化耐久試験」において、国交省への申請用データが改変・捏造されていたもので、それ以前の排ガス規制における申請用データも不正なものであったことが判明している。
同社内において、あらためて正常な試験内容と不正を防ぐ手続きに則って、認証試験に準じる「確認劣化耐久試験」を行なった結果、当該エンジンが規制値を満たさないことが実証され、8月2日に公表の上、リコールの方針を示していた。
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