2026年4月から日野自動車と三菱ふそうトラック・バスは、トヨタとダイムラートラックの合弁会社「アーチオン(ARCHION)」のもとで経営統合され、それぞれ事業会社として再出発する。事業会社としての日野、三菱ふそうのトップがこのほど内定、11月4日に発表された。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/フルロード編集部、ダイムラートラック
バランスの取れたアーチオンの布陣

まずは、来年4月に発足するアーチオンの経営体制を改めて見てみよう。代表取締役CEOには現在三菱ふそうの社長CEOを務めるカール・デッペン氏、代表取締役CFO(最高財務責任者)には同じく三菱ふそうの副社長CFOのヘタル・ラリギ氏、取締役CTO(最高技術責任者)には日野の社長CEOである小木曽聡氏が就任する予定だ。
CEO、CFO、CTO以外のチーフオフィサー(CxO)として、CAdO(最高管理責任者)に日野・経営企画部長の輿水学氏、CHRO (最高人事責任者)に三菱ふそう・人事部長の河地レナ氏、CCLO (最高法務コンプライアンス責任者)兼内部監査担当に日野CCO内部監査機能長の吉田憲生氏、CDO (最高デジタル責任者)に日野CDOの萩原恭太郎氏がそれぞれ就任する。
つまりCxOには、日野から4人、三菱ふそうから3人を選任し、そのうちトップは三菱ふそう/ダイムラーから2人、日野/トヨタから1人ということで、バランスの取れた陣容といえる。また4日のリモート会見でデッペン氏は、複数の企業、複数の国籍から選ばれた結果として「近代的で透明性の高いガバナンス体制だ」とも語っている。
アーチオン傘下で事業を行なう日野と三菱ふそう
このアーチオンは持ち株会社であり、傘下に商用車事業を行なう会社として、日野、三菱ふそうの2社を収める。製品の開発と生産は統合しつつ、そのブランドも販売もサービスも別々に行なっていく、という体制であり、市場においては日野と三菱ふそうの競合関係は続く。
10月9日には、2028年末までにトラックおよびコンポーネント生産拠点を、川崎(神奈川)、古河(茨城)、新田(群馬)の3ヵ所へ統合することを公表済みだ。
事業形態はまったく異なるので注意が必要だが、同一の製品をライバル同士が供給している点に限れば、いすゞ自動車と日野のバス生産・販売事業という前例がすでに存在している。ちなみにいすゞは国内最大の競合相手になるが、UDトラックスとの製品共通化でも先行している。
さる11月4日には、事業会社としての日野の代表取締役社長CEOとしてサティヤカーム・アーリャ氏を、同じく三菱ふそうの代表取締役社長CEOとしてフランツィスカ・クスマノ氏を、それぞれ内定したことが発表された。アーチオンが発足する2026年4月1日付で、正式に就任する予定だ。
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