来春始動アーチオン傘下になる日野自動車と三菱ふそうの新たなトップ人事が内定! その狙いとは?

来春始動アーチオン傘下になる日野自動車と三菱ふそうの新たなトップ人事が内定! その狙いとは?

 2026年4月から日野自動車と三菱ふそうトラック・バスは、トヨタとダイムラートラックの合弁会社「アーチオン(ARCHION)」のもとで経営統合され、それぞれ事業会社として再出発する。事業会社としての日野、三菱ふそうのトップがこのほど内定、11月4日に発表された。

文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/フルロード編集部、ダイムラートラック

バランスの取れたアーチオンの布陣

2025年6月10日の経営統合正式調印時での会見で。左からトヨタ自動車の佐藤恒治社長CEO、日野自動車の小木曽聡社長CEO(アーチオン取締役CTO就任予定)、三菱ふそうトラック・バスのカール・デッペン社長CEO(アーチオン社長CEO就任予定)、ダイムラートラックのカリン・ラドストロムCEO
2025年6月10日の経営統合正式調印時での会見で。左からトヨタ自動車の佐藤恒治社長CEO、日野自動車の小木曽聡社長CEO(アーチオン取締役CTO就任予定)、三菱ふそうトラック・バスのカール・デッペン社長CEO(アーチオン社長CEO就任予定)、ダイムラートラックのカリン・ラドストロムCEO

 まずは、来年4月に発足するアーチオンの経営体制を改めて見てみよう。代表取締役CEOには現在三菱ふそうの社長CEOを務めるカール・デッペン氏、代表取締役CFO(最高財務責任者)には同じく三菱ふそうの副社長CFOのヘタル・ラリギ氏、取締役CTO(最高技術責任者)には日野の社長CEOである小木曽聡氏が就任する予定だ。

 CEO、CFO、CTO以外のチーフオフィサー(CxO)として、CAdO(最高管理責任者)に日野・経営企画部長の輿水学氏、CHRO (最高人事責任者)に三菱ふそう・人事部長の河地レナ氏、CCLO (最高法務コンプライアンス責任者)兼内部監査担当に日野CCO内部監査機能長の吉田憲生氏、CDO (最高デジタル責任者)に日野CDOの萩原恭太郎氏がそれぞれ就任する。

 つまりCxOには、日野から4人、三菱ふそうから3人を選任し、そのうちトップは三菱ふそう/ダイムラーから2人、日野/トヨタから1人ということで、バランスの取れた陣容といえる。また4日のリモート会見でデッペン氏は、複数の企業、複数の国籍から選ばれた結果として「近代的で透明性の高いガバナンス体制だ」とも語っている。

アーチオン傘下で事業を行なう日野と三菱ふそう

 このアーチオンは持ち株会社であり、傘下に商用車事業を行なう会社として、日野、三菱ふそうの2社を収める。製品の開発と生産は統合しつつ、そのブランドも販売もサービスも別々に行なっていく、という体制であり、市場においては日野と三菱ふそうの競合関係は続く。

 10月9日には、2028年末までにトラックおよびコンポーネント生産拠点を、川崎(神奈川)、古河(茨城)、新田(群馬)の3ヵ所へ統合することを公表済みだ。

 事業形態はまったく異なるので注意が必要だが、同一の製品をライバル同士が供給している点に限れば、いすゞ自動車と日野のバス生産・販売事業という前例がすでに存在している。ちなみにいすゞは国内最大の競合相手になるが、UDトラックスとの製品共通化でも先行している。

 さる11月4日には、事業会社としての日野の代表取締役社長CEOとしてサティヤカーム・アーリャ氏を、同じく三菱ふそうの代表取締役社長CEOとしてフランツィスカ・クスマノ氏を、それぞれ内定したことが発表された。アーチオンが発足する2026年4月1日付で、正式に就任する予定だ。

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