昨年は交通事故や荷役中など1万6215人の死傷災害が発生! 陸運業の労災死者数が大幅に増加

死傷災害5%の減少をめざす「14次防」がスタート

 令和5年は、陸上貨物運送事業労働災害防止計画(2023年度~2027年度)の初年度にあたる。この労働災害防止計画は、陸運業における労働災害の発生状況を踏まえて、新たな労働災害防止計画を策定するもので、今回で第14次となることから「14次防」と通称されている。

 14次防の初年度は、死傷災害5%減の目標に向けて前年より365人の減少(約2.2%の減少)とまずまずのスタートなったいっぽう、残念ながら死亡災害は大幅な増加になってしまった。

 陸災防では、死亡災害については交通労働災害および荷役災害の防止を重点とした取り組みを実施。また、死傷災害については荷役災害を充填都市、とりわけ「墜落・転落災害」にフォーカスを当て、全国各地で実施する集団指導を中心に実施していくとしている。

 トラックの荷台からの墜落・転落による災害の防止に際しては、(1)最大積載量2トン以上のトラックにについて、昇降設備の設置および使用を徹底する。(2)荷役作業に従事する労働者に保護帽の着用を徹底する。(3)作業手順書を策定し、その徹底を図る……など。

 また、テールゲートリフターの作業における災害の防止に関しては、テールゲートリフターの機能や危険性を正しく認識した上で、安全な作業方法等を身につけるため、使用者に対する教育を徹底する。さらにロールボックスパレットを取り扱う際の安全作業方法を周知徹底する、などとしている。

効率的なカゴ車降ろしだが、ストッパーの出し忘れなどによるテールゲートからの転落事故も多い
効率的なカゴ車降ろしだが、ストッパーの出し忘れなどによるテールゲートからの転落事故も多い

 さらにフォークリフト作業における災害の防止に関しては、フォークリフト運転者の不適切な運転操作や周辺作業者が本来禁止されている行動をとることによる災害を防止するため、定められたルールを守り、適切な行動を徹底する、などをあげている。

 労働災害は決して防げない災害ではない。発生件数が多い業種というと、真っ先にトビ職などの建設業が思い浮かぶと思うが、安全対策に積極的に取り組んできた結果、今や建設業は陸運業より死傷事故の発生件数が少なくなったという。陸運業も何としても労働災害を減らそうではないか。

【画像ギャラリー】陸上貨物運送事業労働災害防止協会が発表した陸運業の労働災害発生状況(5枚)画像ギャラリー

最新号

【特集】誌上開催!! ジャパントラックショー2024 フルロードvol.53 本日(6/10)発売!!

【特集】誌上開催!! ジャパントラックショー2024 フルロードvol.53 本日(6/10)発売!!

自動車雑誌ナンバーワンの「ベストカー」が自信をもってお送りする本格派のトラックマガジン!! 5月9日…