世界各国のトラックをメーカーごとに紹介する「世界のトラック」。今回はカスタムトラックで有名なアメリカの「ウェスタンスター」をピックアップ。ダイムラー・トラックの最新技術を取り入れたヘヴィデューティーなトラックを身の上とする同社の歴史と最新ラインナップを多賀まりお氏が解説する!!
上質なカスタムトラックを生産
ウェスタンスターは比較的新しいトラックメーカーの1つ。1967年にホワイト・トラック社の1部門としてホワイトの本拠だったオハイオ州クリーヴランドに設立され、カナダ・ブリティッシュコロンビア州ケロウナの工場で原木輸送や鉱業、あるいは油田といった過酷な環境で使われる特殊なトラックを生産した。
同社の特徴は積極的に顧客の注文に応じカスタマイズした仕様を手づくりで提供すること。これが高い評価を得て業績を伸ばしていった。しかし81年にボルボがホワイトを買収。ウェスタンスターの事業はその後も独立して続けられたが、90年にはオーストラリアの実業家テリー・ピーボディによって買収された。
さらに2000年になるとピーボディはダイムラー・クライスラー(当時)に同社を売却。現在はDTNAの子会社としてオレゴン州ポートランドで上質なカスタムトラックを手掛けている。
ラインナップは特装用の「47X」「49X」と長距離輸送用フラッグシップの「57X」の3機種をラインナップ。独自のヘヴィデューティなつくりにダイムラーの先進技術を盛り込んだ味わいが同ブランドの魅力である。
●57X
2022年8月に発表されたオンハイウェイ系フラッグシップモデル。キャブの軽量化や空気抵抗の低減により、従来モデル「5700XE」と比べて約5.8%の燃費性能アップを実現。室内空間も約2割拡大しているという。キャブは前後長60インチ(約152cm)のミッドルーフ、72インチ(約183cm)のミッドルーフ、最上級72インチのハイルーフの3種類がメインで、近距離用のデイキャブもある。
●49X
2021年にデビューした新世代の特装用モデル。完全新設計のキャブを採用し、12Lまたは16Lのエンジンを搭載。BBC(バンパー先端からキャブ後端までの長さ)は121.5インチ(約308cm)で、36インチ(約91cm)、48インチ(約122cm)、60インチ、72インチのスリーパーを組み合わせる。
●47X
49Xと同じく2021年にデビューした新世代の特装用モデル。BBCは少し短い111.6インチ(約283cm)で、スリーパーは36インチまたは48インチを選択可能。エンジンは9Lまたは13Lだ。
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