頼むぞ! キャンター、ゼトロス、ウニモグ、Gクラス!

頼むぞ! キャンター、ゼトロス、ウニモグ、Gクラス!

ダイムラーグループが被災地復興支援用に寄付した50台の車両の引き渡し式が4月21日に三菱ふそう喜連川研究所で行なわれたことは、4月21日当日お伝えしましたが、ちょっと遅れちゃいましたが、ここでは、その詳報として車両を中心とした話をお伝えしようと思います。

まず30台の三菱ふそうキャンターですが、その内訳は平ボデー、広幅バン、ダンプが各10台ずつの計30台。ちなみにこれらの車両は、昨年11月に新型キャンターが発売された際、販売キャンペーンで使用されたモニター車とのこと。

IMG_3783.JPG

寄付された三菱ふそうキャンターを頼もしげに見つめる日本財団の尾形武寿理事長。ちなみに尾形理事長は宮城県石巻市のご出身で、被災地の復興にかける思いは人一倍強い。

 

一方、メルセデスベンツの車両は、オフロードトラックのゼトロス8台、多目的作業車のウニモグ4台、オフロード車のGクラス8台の計20台。このうちゼトロスは本邦初登場ですが、いわばウニモグの兄貴分といった格好の総輪駆動の大型オフロードトラックで、2軸車と3軸車があり、GVW16~27トン、7.2リッター327PSの直列6気筒エンジンを搭載。4×4のゼトロス1833Aは7台で、そのうちダンプが4台、輸送用が3台で、ダンプのうち2台はローダークレーンを搭載しています。残り1台の6×6のゼトロス2733Aは、輸送用でウインチを装備。もちろん、キャラメルブロックのオフロードタイヤを履いています。

IMG_3867.JPG

ゼトロスによる渡河走行。ちなみにゼトロスは軍用車としてブルガリア軍などで正式採用されているという

また、4台のウニモグはすべて輸送用途で、直列4気筒4.25リッターの150PSと直列4気筒4.8リッターの218PSのウニモグU4000が2台、それよりちょっと車両重量の重い218PSのウニモグU5000が2台という内訳です。U4000およびU5000は、ウニモグの中でも不整地走破性を重視したモデルで、キックアップの溶接式ボックスフレームを採用しています。
IMG_3967.JPG

U4000/U5000は、ウニモグの中でも不整地走破性を重視したモデルだ

さらに8台のGクラスは、すべて3リッターV6ディーゼル搭載の184PSで、ステーションワゴンが6台、ソフトトップが1台、それに珍しいピックアップトラックが1台という内訳です。

ドイツから空輸されたメルセデスベンツの20台の車両は、被災地復興用に新たに車両を仕立てていたのではとても間に合わないので、ドイツの工場などで完成していた車両の中から最適の仕様をピックアップ。当然のことながら、排ガス規制などは日本のレギュレーションに適合していませんが、使用期間を2年間と限定した上で、国土交通省の「超法規的措置」で使用が認められ、公道を走ることのできるナンバープレートも交付されるとのこと。

50台の車両については、寄付を受けた日本財団にすべてオペレーションが任されますが、すでに50台のうち3分の2は、ボランティア団体や市町村など行き先が決まっており、残りの3分の1のゼトロスやウニモグなどの特殊車両については、アタッチメントを含め、ユーザー/ドライバーのトレーニングを行ない、適宜被災地で稼働を始める予定。ちなみに引き渡し式当日は、ゼトロスに搭載されたクラムシェルバケット装着のローダークレーンとゼトロス三転ダンプ、キャンターダンプによる砕石・砂利の積み降ろしのトレーニングや、ゼトロスやウニモグの渡可走行のトレーニングの模様も公開されました。なおアフターサービスについては、補修部品も含めて三菱ふそう/メルセデス・ベンツ日本がすべて責任を持って提供するとのこと。すなわち後顧の憂いなくフル稼働できるわけです。

IMG_3982.JPG

IMG_4062.JPG

ゼトロスに搭載されたクラムシェルバケット装着のローダークレーンとゼトロス三転ダンプ、キャンターダンプによる砕石・砂利の積み降ろしのトレーニング風景

ドイツから届いた熱い思いをのせて、被災地の復興支援に、頼むぞ! キャンター、ゼトロス、ウニモグ、Gクラス!  (キャップ)

IMG_3551.JPG

 

 

最新号

【特集】さらなる飛躍へ スカニアSUPER フルロードvol.57 本日(6/10)発売!!

【特集】さらなる飛躍へ スカニアSUPER フルロードvol.57 本日(6/10)発売!!

自動車雑誌ナンバーワンの「ベストカー」が自信をもってお送りする本格派のトラックマガジン!! 今号では…