トラックの安全運行やドライバー不足の解消で期待されている『自動運転走行機能』『隊列走行』に対し、トラックユーザーの導入意欲があまり高まっていないことが、メーカー団体の日本自動車工業会(自工会)がこのほど発表した「2024年度普通トラック市場動向調査」で明らかになった。その理由とは?
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
図/日本自動車工業会
写真/フルロード編集部
メリットは理解されているのだが
自工会の普通トラック市場動向調査は、トラックユーザー(運輸業と自家用[建設業・製造業・卸小売業者が含まれる])を対象に隔年で実施しており、24年度調査では計1600件あまりのユーザーが回答した。
この中で、最先端技術である『自動運転走行機能・隊列走行』に関する設問では、「ドライバー不足の解消」「事故の減少」といったメリットが認識されながらも、前回調査時に対して導入意向が後退していることが判明した。
自動運転走行機能・隊列走行のメリットとして、「ドライバー不足の解消」を運輸業の64%、自家用の49%が、「事故の減少」を運輸業の55%、自家用の66%がそれぞれ認識していた。
しかし、導入意向としては、運輸業の56%と自家用の51%がそれぞれ「導入する可能性は低い」または「導入することはない」と否定的に回答した。これは前回調査時に対し、運輸業では6ポイント増(前回50%)、自家用では1ポイント減(前回52%)にとどまるもので、いぜんとして『自動運転走行機能・隊列走行』の導入に消極的なユーザーが多いことがうかがえた。
ただし運輸業の場合、保有台数30台以上では導入に肯定的(「積極的に導入したい」「導入を検討する可能性はある」)なユーザーが44%で、否定的なユーザーの41%を3ポイント上回るなど、フリート規模によって傾向は異なっている。
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