トラックで運転席のある空間をキャブ、またはキャビンと言います。
長距離輸送ともなると、このキャビンがドライバーさんの生活の場となるので、とても大切な居住空間となります。
快適な生活を送るために、ドライバーさんはさまざまなグッズをキャビンに持ち込むわけですが、果してどんなものがあるんでしょう?
今回は北九州発の長距離ドライバー・ひろしさんに聞いてみました。
文/長距離ドライバー・ひろしさん、写真/ひろしさん・フルロード編集部
*2021年3月発行トラックマガジン「フルロード」第40号より
長距離は一航海1週間出ずっぱりがザラ
長距離運転手のひろしです。トラックの運転手、特に長距離ともなれば、まさに一国一城の主、会社を出てしまえば社長同然。ひとたび航海に出れば1週間出ずっぱりとかザラな仕事です。
下手したら自宅よりも長い時間を過ごすことになるセカンドハウス的な運転席内は、ある意味自宅よりも快適な空間にしなければなりません。言うなれば移動式ワンルームマンションでしょうかね。
自宅と変わりなく長い時間を快適に過ごすためには、多種多様なアイテムが必要になります。TVにDVD、飲み物を入れるクーラーボックス、出先でシャワーや風呂に入るためのお風呂セットは長距離ドライバーなら標準装備といったところでしょうか。
僕はこの標準装備に加えて、衣装ケースを積んでいます。以前はスポーツバッグに着替えなどを入れて、毎航海トラックに持って行っていたのですが、面倒くさいのと、家よりトラックで過ごす時間のほうが断然長いこともあり、トラックに衣装ケースを積んでタンスがわりにしています。今ではトラックでの着替えのほうが多いという逆転現象まで起きています。
長距離の仕事は、帰り荷が決まらない場合など出先で泊まりになったりすることがあります。僕の経験で一番長い出先の泊まりだったのは、金曜朝に横須賀で荷降ろしをして、帰り荷の積み込みが月曜日に決まり、金~月曜の3泊でした。
泊まりといっても当然ホテルに泊まるわけではなく、車中泊になります。トラックはどこへでも移動できるわけではありませんので、路駐できる広い場所にトラックを停めて、3日間ピクリとも動かなかった経験があります。
とはいえ、ずっとクルマの中に居ることもないので、徒歩で買い出しなどに出掛けたりしましたが、ずっと作業着というのもナンなんで私服に着替えて出掛けたり散歩したりして過ごしました。そんなことも多々あるので、衣装ケースには多少の私服を入れています。
コメント
コメントの使い方