ヒロの海コン物語

ヒロの海コン物語
なぜ運コン運転手になったのか その22
最初にやるバックは、「直線バック」ってヤツで、ひたすらまっすぐバックします。
乗用車やトラックなら、「まっすぐバックしてー」なんて言われたら、ハンドルをまっすぐの状態で固定しつつ若干 微調整してやれば、ずーっとまっすぐバックして行けると思うんですけど、トレーラはそーは行きません。
フツーにバックしようと思うと、ジワジワとケツ(台車部分)が右か左のどちらかに向かってしまい、ちょっとした道路の段差みたいなのがあれば、ケツがヒョイっとどっかに行っちゃいます(笑)。
なので直線バックの場合は、ケツがズレてくのをコントロールしてまっすぐバックして行かなければなりません。
身近なモノで言うと、自転車やバイクなんかが構造的に近いんじゃないかと思うんですけど、自転車やバイクの前に立ち、ハンドルを持って前に押して進んでみてください。カタチとしては、自転車やバイクをバックさせるみたいなことになるんですけど、そーすると後輪が勝手に右か左に行っちゃいませんか?
それをまっすぐに進ませるためには、ハンドルを左右に動かしたり、車体を左右に傾けたりして、後輪が進む方向をコントロールしてやんないといけないと思うんですが、トレーラのバックもそれと一緒で、アタマ(トレーラ ヘッド)のハンドルさばきによって、ケツの進む方向をコントロールしてやります。
しかしね、これがもの凄くむずかしい。
分かりやすく言っちゃうと、トレーラをバックさせる時のハンドルさばきって、乗用車やトラックの感覚からすると「逆方向にハンドルを回す」って感じになるんですよね。だから、頭では「自分が今まで持っていた感覚とは逆の方向にハンドルを回せばいいんだ」ってのは分かってるんですけど、いざその場になると頭の中が真っ白になっちゃって、どっちにハンドルを回したらいいか分からなくなるし、乗用車やトラックの感覚でハンドルを回しちゃった日にゃ、自分が意図している方向とは逆の方向にケツが行っちゃうし、ハンドルを回す方向が合ってたとしても、ハンドルを回し過ぎちゃって変なことになっちゃうし……で、もーパニックですよ。
これがね、けん引の教習の時にタオルが必要なほど汗をかく理由です(笑)。
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