■先進安全装備満載のスーパーグレート最新モデルを試す
高速で先進装備を試す前に、まずは一般道で小手調べ。左ステアリングコラムのダイヤル式セレクターを「D」にセットして走り出す。試乗時は約7tの半積状態であったが、エンジントルクは余裕のひとこと。
AМTのシフトパイロットがテンポ良い変速となめらかな加速をもたらし、車両としての完成度の高さを感じさせてくれる。
また新型モデルはパワーステアリングギアボックスが日立オートモーティブシステムズステアリング製から電動モーターを組み合わせたボッシュ製の「サーボツイン」に変更されている。
以前のモデルと比べてステアリング操作は程良い軽さに設定され(一般的に軽くなる8×4ではあるが……)、取り回しが良い印象であった。
■高速道路も快適! ADAで走ってみる
高速に入ってADAを試した。ステアリングスイッチを操作してACCの車速を80km/hに設定すると、数秒後マルチインフォメーションディスプレイに青いランプが表示されて作動を開始。小刻みにステアリングが動いて車線中央に車両が保たれる。
スーパーグレートのレーンキープ機能はカメラが車線を認識することよって車体を車線中央に保つもの。車線が途切れたり認識できなかったり、カーブ半径が小さい(カーブがキツい)場所では解除されるが、今回走行した東北道の本線区間ではほぼ全域で作動できた。
PPCを搭載した試乗車はADAとの協調が行なわれる。
2017年のフルモデルチェンジから備わった同機能は、ACC作動中、車載されている3次元マップデータから取得した道路前方の勾配情報からエンジン回転数・ギア段・エコロール(惰性走行中にギアをニュートラルにしてエンジンフリクションをカットする機構)などの予測制御を行なうもの。
予測制御付きのACCにレーンキープ機能が加わった試乗車は快適そのもの。ドライバーが何もしなくても省燃費かつ安全な高速走行がもたらされる。
■ハンズオンの精度も優秀
次にスーパーグレートのハンズオン認識精度を試してみる。以前試した乗用車のレーンキープアシスト機能ではハンズオンの認識精度が低く、頻繁に警告が出て煩わしかったことがあるが、スーパーグレートの精度はなかなか優秀。
保持によってステアリングシャフトに発生する微細な抵抗力を検知する一般的なトルク認証方式だが、ステアリング上に手を置いていればまず大丈夫で、軽く添えた程度でも認識してくれた。
なおハンズオフ状態を続けると15秒でディスプレイに黄色い警告が発出30秒で赤いディスプレイ警告とともに「ポーン・ポーン」という断続的なブザーが鳴り始める。
さらに55秒でブザー音の間隔が早くなり、60秒後には「ピコピコピコッ」と強めの音が鳴り響き、機能がキャンセルされる(技術指針に沿った設定)。再びハンドルを握れば復帰するが、何度もこれを繰り返すと作動しなくなるそうだ。
レーンキープ中の手動操舵によるオーバーライド(動作の上書き)は、はじめは抵抗する力を感じるものの、すぐに手動操舵に移行できる。この切り替えもスムーズで違和感がないように開発で腐心した印象を受ける。
LDPのハンドル補正機能においても同様の介入が可能だが、同機能は車線からハミ出した際にLDWSと同じく「ダダダッ」という警告音が発せられる。もちろん車線変更等の際は予めウインカー操作を行なえばハンドル制御(や警告等)はカットされる。
最後に帰路上の一般道でADAを試してみた。ACCの車40km/hに設定してレーンキープを始動。そのまま交差点に差し掛かるとポップアップ音が鳴り、ディスプレイに「ハンドル操作を開始してください」と警告が出てレーンキープ制御は解除された。
交差点の幅によるのかもしれないが、車線が途切れる交差点では作動しないようだ(車線が認識できればすぐに復活する)。
また、タイトなコーナーでレーンキープを試したところ、今度はポップアップ表示などの前触れなしに手動操舵に切り替わった。ハンズオンが前提なので問題はないが、手動操舵に切り替わるカーブでもお知らせがあっても良いように思われた。
今回は2時間ほどの試乗だったが、新型スーパーグレートの先進装備は混合交通の中でも安心して使える確かさが印象的だった。