今年のトラック運送業界はどうなる!? 寺岡洋一全ト協会長の年頭所感から2026年の業界を展望する

安全・安心の輸送サービスを提供するために

 トラック運送業界は、「安全で安心な輸送サービスを提供し続けること」が社会的使命であり、常に「安全」を最優先課題と位置付けながら事業を展開しなければなりません。

 しかしながら、事業用トラックが第1当事者となる死亡事故件数は令和6年よりも減少しているものの、依然として多い状況にあります。また、根絶すべき事業用トラックによる飲酒事故も依然として発生しているほか、大型車による車輪脱落事故も発生しています。

 国交省では、令和7年度までを計画期間とする「事業用自動車総合安全プラン2025」に代わる次期総合安全プランの策定に向けた準備を進めています。全ト協では、次期総合安全プランを受けて策定する次期「トラック事業における総合安全プラン」に基づき、事業用トラックが関係する交通事故による死傷者数等の目標達成を図ります。会員事業者の皆様におかれましては、今一度基本に立ち返り、緑ナンバーの自信と誇りをもって安全運行の徹底に努め、安全・安心な輸送の確保をお願い致します。

 気候変動をもたらす地球温暖化防止のため、全ト協では2050年のカーボンニュートラルを目指し、「トラック運送業界の環境ビジョン2030」を定めています。本ビジョンのメイン目標として、トラック運送業界全体の2030年のCO2排出原単位を2005年度比で31%削減することを掲げ、環境対応車導入促進助成事業や「トラックの森」づくり事業などの取り組みを引き続き推進してまいります。また、「黄金のペットボトル」など社会問題化するゴミのポイ捨て問題についても、業界全体の意識の向上を図るため、会員事業者の皆様のご協力をお願いいたします。

生活と経済のライフラインとしてエッセンシャルワーカーの誇りを

 トラック運送事業者が「国民生活と経済のライフライン」としての機能を果たし続けていくためには、利用者目線での計画的な道路整備の推進が必要です。

 道路を使用するドライバーの労働環境改善の観点から、暫定2車線区間の4車線化やミッシングリンクの解消、渋滞対策の推進、高速道路のサービスエリア(SA)・パーキングエリア(PA)などにおける駐車スペースの整備・拡充など、多くのトラック運送事業者の輸送効率化に繋がる道路整備の推進が求められます。また、トラック輸送は国民生活と産業活動を支える公共的物流サービスの担い手であることから、運送事業者にとって利用しやすい高速道路料金水準が求められます。

 全ト協では全国道路利用者会議と連携して、我が国の生産性を向上させ、成長力および国際競争力を強化するため高規格道路のミッシングリンクの解消や暫定2車線区間の4車線化、重要物流道路の整備推進など幹線ネットワークの強化を国交省等に働きかけていきます。

 また、高速道路料金について、利用に応じた料金制度としつつ、運送事業者向け割引の継続を強く求めていきます。さらに、ドライバーの働き方改革や生産性向上、カーボンニュートラル推進を図るため、利用者目線での渋滞対策の実施、道の駅などの休憩施設の機能強化、中継物流拠点の整備および交通結節機能の強化などを求めていきます。

 SA・PA、道の駅における駐車スペースや休憩・休息施設は、労働関係法令の遵守およびドライバーの労働環境改善のためになくてはならない必要な施設であることから、全ト協では、SA・PA、道の駅における大型車および特大車用の駐車スペースや休憩・休息施設となる建屋内設備の整備・拡充、特にシャワー施設の設置箇所拡大について、引き続き国交省等に対して要望活動を行なっていきます。

 我々トラック運送事業者の願いは、エッセンシャルワーカーとして物流の現場で日々奮闘しているドライバーに、夢や希望、誇りを胸に、「我々が日本のくらしと経済を支えている」との熱い思いをもちながら、日々仕事をしてもらうことに他なりません。

 多くの運送事業者が荷主等に対して果敢に運賃・料金交渉を行ない、適正運賃・料金を収受することで、ドライバーの地位向上と労働条件の改善が図られるとともに、それが安定的な物流の確保に繋がり、国民経済の健全な発展に寄与するのです。

 スピード感をもちながら重点的に解決していかなければならない課題は、地域によって温度差があり様々です。私は、「業界内の風通しを良くしていくこと」も非常に重要であると考えています。会員事業者の皆様方から、様々な課題を全ト協に対し積極的にご提供いただくとともに、全ト協としては、そうしたお声に真摯に耳を傾け、「会員ファースト、業界ファースト」で業界の健全な発展に資する諸施策を強力に推し進め、個々の事業者の持続的な成長に繋げていきたいと考えております。

 会員事業者の皆様方のますますのご発展とご健勝、ならびにご多幸を心より祈念し、新年のご挨拶とさせていただきます。

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