今年のトラック運送業界はどうなる!? 寺岡洋一全ト協会長の年頭所感から2026年の業界を展望する

今年のトラック運送業界はどうなる!? 寺岡洋一全ト協会長の年頭所感から2026年の業界を展望する

 「2024年問題」をきっかけにさまざまな問題と課題が噴出したかのようだが、このところトラック運送業界はまさに激動期を迎えている。

 全国約6万社のトラック運送事業者の中央団体である公益社団法人全日本トラック協会でも活動を活発化させているが、果して2026年の業界は一体どうなるのだろう?

 寺岡洋一全ト協会長の年頭所感を元に今年のトラック運送事業を展望してみよう。

文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/全日本トラック協会・フルロード編集部

寺岡洋一全ト協会長の年頭所感

今年のトラック運送業界はどうなる!? 寺岡洋一全ト協会長の年頭所感から2026年の業界を展望する
寺岡洋一全ト協会長

 昨年6月、前任の坂本克己最高顧問の後任として全日本トラック協会の会長に就任しました。昨年は私個人にとっても、そしてトラック運送業界にとっても激動の年だったといえるでしょう。

 まず、昨年4月には「改正物流法」(新物流効率化法、改正貨物自動車運送事業法)が施行され、5月には「取適法」(製造委託等に係る中小受託事業者に対する支払の遅延等の防止に関する法律)が成立し、今年1月1日から施行されました。そして、6月には「トラック適正化二法」(改正貨物自動車運送事業法、貨物自動車運送事業の適正化のための体制の整備等の推進に関する法律)が成立しました。

 また11月の与野党合意により、今年4月1日に軽油引取税の暫定税率が廃止されることになりました。軽油引取税の暫定税率廃止に伴い、運輸事業振興助成交付金の維持に向け、超党派による議員立法で先の臨時国会に「運輸事業振興助成法改正案」(運輸事業の振興の助成に関する法律の一部を改正する法律案)が提出されました。令和13年3月31日までの5年間、現行の交付金制度が維持される内容となっています。

 トラック適正化二法の成立や運輸事業振興助成法改正案の国会提出に至ったのは、国会議員の先生方や国土交通省をはじめとした関係省庁及び労働組合のご理解はもとより、業界の皆様が一致団結して必死に汗を流してきた結果だと考えております。改めて、業界の皆様方のご尽力に心より御礼申し上げますとともに、運輸事業振興助成法改正案の早期成立に向け、引き続き関係の皆様のご理解・ご協力お願いいたします。

トラック適正化二法の全面施行に注力

 トラック適正化二法では、改正貨物自動車運送事業法のなかで、1.トラック運送事業の許可について5年ごとの更新制の導入、2.国土交通大臣が定める「適正原価」を下回る運賃・料金の制限、3.再委託の回数を2回以内に制限するよう努力義務化、4.違法な白ナンバートラックの利用を禁止し(罰則付)、荷主等に対しては是正指導も実施……などを盛り込んでいます。

 また、この事業法を担保するための「貨物自動車運送事業の適正化のための体制の整備等の推進に関する法律」(新法)は、1.基本方針の策定、2.法制上の措置等、3.物流政策推進会議……を柱としています。トラック適正化二法で示された内容が実現した暁には、業界を取り巻く景色が一変するのではないかと感じています。

 全ト協では、私が委員長を務める、本件に特化した「トラック適正化二法対策委員会」を新たに立ち上げ、昨年8月27日に第1回委員会を開催しました。第1回委員会では、委員会設立の意義と経緯について説明した上で、「改正事業法の全面施行まで3年。業界の健全な発展に向けて、本日お集まりの皆様が一致団結して、全面施行に向けて精一杯取り組んでいきたい」と決意を述べました。

 今年4月には、「委託次数の制限」と「違法な白トラに係る荷主等の取り締まり」が施行され、続く第2段階は、公布後3年以内に施行とされており、令和10年春頃になると思われますが、ここから「許可更新制度」と「適正原価の遵守義務」が施行することになります。

全ト協では今後も、国交省と強く連携しながら、トラック適正化二法の全面施行に向けて準備を進めてまいります。

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