兄弟喧嘩の真っ最中!? それでも荷を降ろさなければならぬ
別のお得意様での出来事。とあるご兄弟で営まれている工場に到着すると、少々機嫌の悪そうな男性が出てきて「この荷物今日の分か?」。「はい」と答えると工場の奥へと行き誰かを探している様子。
何がなんだかわからないまま、シートをたたんだりロープをはずしたりの作業を始めていると、中から大きな声が聞こえてきます。明らかに大モメ。もめてる様子が伝わって私もなんだか緊張。どうやら荷物が届くことがその男性には伝えられてなかったようです。
パレットが来ればいつでも降ろす準備はできているものの……、指示が出るまで取り掛かれません(涙)。どれくらい待っていたでしょうか、私もシビレを切らしたんで、近くにあったリフトでパレットを運び、積み替えることに……。
ホントは5段積にするのか6段積にするのかを聞いてから作業をしたかったのですが、長い放置プレーに頭に来てたもんで、楽に詰める5段積にして、たくさんパレットを使って差し上げました。はい、大声でもめてる時に「どこに置くねん!」と聞こえてきたからでして、さらにもめる原因をプレゼントしておきました。
降ろしている最中も一度も見に来ないで、忘れられていた私のささやかな反撃です(笑)。
降ろし終わって受取書をもらいに行く時、明らかに険悪な空気が漂う男性2人に、「終わりました。パレットに載せて壁際に置いてあります」と少々ひきつった笑顔で声をかけ、「ありがとうございました」と逃げるように立ち去った。だって……、同じような荷姿の4トン車がもう一台外で待っていたから……。正直ハラハラしました。あれからまたもめただろうね(汗)。
パワハラキングのリフトマンがいる得意先
そんなハラハラドキドキのお得意先もありましたが、一番イヤだったのが「また来たん? 早よ辞めりや~」と毎度おっしゃるリフトマンがいるお得意先。
出たで! パワハラの神様!! 当時の私の天敵的存在。今ならパワハラで訴えることもできるんでしょうが、当時はそんな言葉さえない時代。
リフトでパレットのまま積み、ラッシングしてシートをかける。この作業でどこが男性に劣るのかわかりませんが、荷締めしているとリフトで横に来て、「いつまで乗るつもりやねん」、「男と同じぐらい稼ぎたいんやったら、水商売とかあるやろ」などなど、イライラする言葉を連発する困った30代半ばくらいの男性。
いつも適当に聞き流すんですが、機嫌の悪い時は少々怒鳴り気味に不機嫌をまき散らす困ったキングです! 多い時で週に3回は積み込みに行くので、私もたまったもんじゃありません。
そのことを同じ会社の年輩に相談したところ、「あいつは気の弱い運転手にいつもからんでるんや! 相手せんと放っとき!」とのこと。放っておきたくても、いつも横に来てグダグダと始まるので憂鬱です。毎回「今日こそガッチャ(荷締め用の治具)で殴って辞めたる!」そう思いながら積み込みに行ってました。
ある時、いつものように作業をしてると、いつものようにリフトでやってきた困ったキング。いつもと違うのは私のムシの居所。
「おい!」と声が聞こえた瞬間、「なんや!」と咄嗟にガッチャを掴んで荷台から飛び降りた。興奮状態だったし過去のことなので、何を言ったか今は覚えてないんですが、持っていたガッチャを荷台に叩きつけたのは覚えています。
その様子に気づいた別の人に呼ばれてキングは立ち去り、その場は終わりました。その後はリフトマンが変わりましたが、ホ~ント嫌なお得意様でした。悔しかったり腹が立ったりで、泣いて帰ることもあったんだよね~(涙)。
こんな困ったリフトマンがいるお得意様ではありますが、ここの荷物を配達する岡山の工場の方達が大好きで、同じく「また来たんか~?」と言いますが、「ほらコーヒーでも飲み」といつもにこやかに出迎えてくれます。
なんだかんだと談笑しながら作業もあっという間に終わります。きっとココの人達の支えがあったからパワハラにも耐えられたんでしょうね。まさに私には神様的な存在。
お客様は神様ですので、できれば信仰(親交)を深めたいのですが、その座に胡坐をかいた厄病神も存在します。神様もイロイロですね。
イヤなことも良かったこともたくさんあった4トン車時代。今は海コンなので、一緒に作業をすることもなくなり、単調に仕事ができてはいますが、今でもやはり神様の不思議に悩まされることがあります。
それはやはりトイレの神様のことでしょうか。とある倉庫でトイレを借りた時のこと。場所を教えてもらって行ってみれば、なぜかトイレのドアがアコーデオンカーテン。中は純和風の便器。さすがに参拝できませんでした(涙)。
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