トラックドライバーが思う「理想の職場」って? 給料だけじゃない意外な理由も…… 

トラックドライバーが思う「理想の職場」って? 給料だけじゃない意外な理由も…… 

 トラックドライバーさんに「どんな会社だったら長く勤められますか?」を聞いてみました。

 「そんなの決まっているよ、給料がいいトコに決まっているじゃん!」という声が聞こえてきそうですが、いえいえ、賃金の話は大事ですが、それだけじゃないんですね。

 北海道でセメントバルクトレーラに乗っているかんちゃん、九州の長距離ドライバーのひろしさんに話を聞きました。

文/フルロード編集部・かんちゃん・ひろしさん、写真/フルロード編集部
※2023年9月発行トラックマガジン「フルロード」第50号より

雇用する側と雇用される側の溝が少ないことが一番【かんちゃん】

北海道でトレーラ運転手をしているかんちゃん
北海道でトレーラ運転手をしているかんちゃん

 まず私の過去の勤務年数ですが、短い所は1日で見切りをつけた会社もありますし、いまお世話になっている会社は23年在籍しています。そんなにいろいろな会社を経験しているわけじゃないので経験談でお話はできませんが、私が思っていることをお伝えしたいと思います。
 
 まず会社っていうのは雇用する側と雇用される側の2つに分かれますよね。これが簡単なようで実は非常に深くむずかしい問題になっていると思います。

 簡単にいうと、雇用する側と雇用される側の思いが全員同じ方向で同じ考え方だと、何の問題もなく会社は存続できるだろうし、業績も間違いなく上がり続けると思います。ですが、やはり雇用する側が雇用される側の気持ちを心底考えていなかったり、逆に雇用される側が雇用する側のことをほとんど考えてないことも多々ありますよね。

 でもこれって日本独自の文化のような気もします。輸送業でも、アメリカやカナダなど北米では雇用する側と雇用される側がしっかりしたルールの元、合理的に仕事をしているという話も聞きます。世界各国がそうなのかはわかりませんが、日本は特に両者の溝が深いような気がします。
 
 私は根っからの運ちゃんで古い考え方の人間なので、運転手目線でお話したいと思いますが、「運転手として、何をどうすれば周りに迷惑をかけずに、気持ちよく仕事できるか」ってことをよく考えながら運転しています。

 まずは仕事仲間のことですね。私の担当はセメント輸送なので、お客様は自社の生コンプラントになります。そこで生コンを製造している担当者に聞くと、やっぱりセメントが無くなるのが一番怖いって言ってました。

 骨材(砂利や砂)は自社で補っているのですが、万が一、骨材が無くなったとしても地元の砕石工場に頼むとすぐに配達してくれます。セメントは足りなくなると片道2時間半かかる留萌市まで取りに行かなければなりません。往復5時間です。ですのでセメントを切らすのが一番心配とのこと。

 私は繁忙期に入ると配車係のお姉さんに「本当にこれだけでいいのかい? もう1回走れるよ」「サイロに入るなら走っておいて在庫を増やしといたほうがいいんじゃないのかい?」ってこちらから言い出します。

 もちろん配車係のお姉さんも在庫は多いほうがいいと知っているのですが、私に気を使って言わないんですよ。きっと労基のこともあるし、オッサンだから壊れちゃうんじゃないかと思ってるのかも(笑)。

 でもこちらから言い出すと配車係のお姉さんも喜んでくれるし、何より生コンを製造しているオペさんが喜んでくれると思うんですよ。一緒に頑張って仕事している仲間のことを思いやりながら仕事できるって会社が、長く在籍できる会社なのではないでしょうか。

 そのかわり、私は兼業で津軽三味線・日本民謡を教える家業もしているのですが、どうしても平日にお休みをいただかなければならないことが多々あります。その時は本当に気持ちよく配車係のお姉さんがお休みを許可してくれます。本当にありがたいことです。

 ですので、私が考える「長く在籍できる会社」っていうのは、雇用する側と雇用される側の溝が少ないこと、お互いに思いやりができること、よ~く話し合えること。……要するに対人間の問題ですよね。

 雇用する側も雇用される側も人間ですから、なんぼ給料が良くてもパワハラが横行している会社だと長続きしませんよ。なんぼトラックがカッコ良くても人間関係の悪い会社だったら長続きしませんよね。

 この仕事(運ちゃん)を始めて35年経つ私の持論ですが、社長が元ドライバーでトラックを大切にしている会社ってとても業績が伸びているような気がします。私の偏見かもしれませんが……(笑)。

 繰り返しますが、給料とかカスタムトラックとか業務内容ではなく、どの位置(社長・役員・事務職・ドライバー)にいても、お互いに思いやりの気持ちを持っている人がたくさんいる会社は、絶対に長く在籍できるような気がします。古い考え方でスミマセン。
 
 まずは自分の身体の体調管理をシッカリして、思いやりができる精神状態でいましょう。ちなみに思いやりは貰うものではございません。見返りを求めないで自分から発信するものだと思います。ではでは皆さんご安全に!

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