物流の2024年問題を目前に運送業界はどう動くか!? 全日本トラック協会・坂本克己会長の年頭所感を読む

「標準的な運賃」「荷主対策の深度化」が徐々に浸透

 都道府県トラック協会のご尽力により、(全ト協の)会員事業者ベースの「標準的な運賃」届出率は7割を超え、徐々に浸透しつつあり、また、「荷主対策の深度化」の方策についても、徐々にその実効が図られてきているところです。

 しかしながら、「標準的な運賃」や「荷主対策の深度化」については来年3月までの時限措置とされていることから、現場で働いておられるドライバーの労働条件改善を実現していくため、時限措置延長・恒久化への対応が強く求められてきます。

 悪貨が良貨を駆逐することのないよう公平公正な競争の基盤を確立するとともに、問題のある荷主に対しては、改正貨物自動車運送事業法や独占禁止法等の諸々の法律により、適切な指導を行なっていただき、真面目な事業者がより効率的に事業運営を行なえる社会にしていかねばなりません。

 全日本トラック協会では、政府・与党等に対する要望活動を一層強化するなど、引き続きこれらの問題に取り組んでまいります。

 会員事業者の皆様におかれましては、「今がまさに、業界のさらなる健全化への勝負時」と捉えていただき、荷主に対して果敢に運賃・料金交渉を継続していただきたいと存じます。

トラックドライバーの健康問題にも注力を

 いっぽうで、多くのドライバーが脳・心臓疾患のリスクを抱えているなかにおいて、昨年には「改善基準告示」(自動車運転者の労働時間等の改善のための基準)が改正され、来年4月に施行されることになっております。

 全日本トラック協会では、改善基準告示の改正を受けて、荷主向け・事業者向けリーフレットや、改正内容を詳しくまとめた冊子を作成し、配布いたします。また、各都道府県トラック協会でのセミナーを開催するなど、新改善基準告示の周知徹底に努めてまいります。

 新改善基準告示では、全日本トラック協会からの主張を受けて、厚生労働省による「荷主対策」が盛り込まれております。

 厚生労働省による荷主対策の実効性を高めるためには、荷主の実態に関する情報が必要となってまいります。会員事業者の皆様方におかれては、遠慮なく行政に対して荷主情報を申告していただき、実効性の高い荷主対策の実現に繋げていただきたいと考えております。

 また、新改善基準告示の施行により、ドライバーの健康と安全を確保し、過重労働や過労死を何としても防いでいくために、会員事業者の皆様方におかれては総拘束時間の縮減をはじめとしたドライバーの労働環境の改善に向けて、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。

国民生活と経済のライフラインを守るために

 併せて、トラック運送事業者が「国民生活と経済のライフライン」としての機能を果たし続けていくためには、利用者目線での計画的な道路整備の推進が不可欠です。

 全日本トラック協会では、高速道路料金の引下げ、物流基盤の整備(高速道路ネットワークの整備・充実、休憩・休息施設、中継物流拠点の整備・拡充、暫定2車線区間の4車線化)など、トラック運送事業者にとって使いやすい道路の実現に向け、道路の環境整備の必要性を強く訴えてきました。

 特に高速道路料金について、昨年12月に可決・成立した令和4年度第2次補正予算では、全国のトラック運送事業者の皆様の声が結実し、厳しい財政事情のなか、高速道路料金大口・多頻度割引の拡充措置が令和6年3月まで延長されました。

 引き続き、全国道路利用者会議などと連携しながら、トラック運送事業者の生産性向上に資する道路環境整備の実現等に向けて、政府・与党に対して全力で働きかけを行なってまいります。

 トラック運送業界は、「安全で安心な輸送サービスを提供し続けること」が社会的使命であり、常に「安全」を最優先課題と位置づけ、環境対策や労働対策などとともに、持続可能な産業として将来に向けた様々な取り組みを進めてきました。

次ページは : トラック運送事業者として環境・SDGs対策の推進も

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