長距離輸送路線便の場合
また「雑貨便(路線)」というのがあります。こちらは少しわかりにくいかもしれませんが、まずは2トンや4トンの集配車が各企業、個人宅から荷物を集荷してきます。
それらをターミナルで一度すべて降ろし、行き先ごとに仕分けて路線別に積み込んでいきます。
たとえば東京の足立区のターミナルから福岡や久留米、鳥栖、北九州など、行き先によってその台数が準備しています。雑貨便は集荷の2トン車や4トン車がターミナルに戻ってこないと荷物が集まらず積み込みができないので、積み込み開始が18時くらいから始まります。
集配車が帰庫すると、荷物の振り分けと同時進行で路線車に積み込みしていき、全ての積み込み終わりが22時~23時くらいになります。積み込み終わったら、そのまま高速を利用して運行します。
例として東京の足立から福岡と久留米の2カ所の荷物を積んだとしましょう。
【1日目】
夕方18時前後に積み込み開始、22時~23時積み込み完了。首都高速から東名高速に入ります。
【2日目】
新東名高速から伊勢湾岸、新名神、名神高速、山陽道などを経由して九州に向かいます。
雑貨便の場合、荷降ろしできる時間帯=「到着」、積み込み優先の時間帯=「発送」というものがあります。各会社によって違いますが、例として16時~23時前後が「発送」、それ以外の時間が「到着」というようになっています。
16時までにターミナルに着いていれば受付して荷降ろし作業を行ないます。間に合わなかった場合は受付だけ済ませて、ターミナルの状態が発送から到着に切り替わる23時前後まで待機になります。
今回例にあげたのは福岡→久留米の2カ所積みなのですが、時に3カ所、4カ所と積み込みする場合があります。この場合23時以降に全てのターミナルを移動して荷降ろしする動きになります。
発送前(16時まで)に到着していれば荷降ろしできるので、数カ所立ち寄らないといけない場合は、1カ所でも荷おろしが終わっていたほうが余裕を持って動けるので、後々楽になります。
例外として雑貨の翌着便の場合、16時までにターミナルに着いてないと延着となってしまいます。
【3日目】
福岡のターミナルで荷降ろしした後、久留米のターミナルに向けて移動して、残りを荷降ろしします。通常の場合は、2日目23時から3日目の早朝6時くらいまでに全ての荷降ろしを終わらせなければなりません。
なぜかというと、路線便が積んできた荷物はさらに細かく仕分けられ、集配車が積み込みして各企業や個人宛に配達するからです。集配車の配達や積み込み時間を逆算すると、早朝6時くらいまでに路線便の荷降ろしが終わっていないと、あとの作業に支障が出てしまいます。
その時の作業の進み具合にもよりますが、明け方までには積んできた荷物を全て荷降ろし完了して、雑貨便の仕事は終了します。この後、会社に戻ったら燃料を入れて、洗車して、日報を書き上げて1航海終了となります。
長距離の仕事は積み荷や行き先によって、運行内容から作業内容まで変わってきます。荷物の積み方、降ろし方でも荷主によって段取りが違いますし、行き先もその都度違うので道を覚えたりもしないといけません。
翌着の場合などは夜中走りっぱなしになるため、体調管理は当然として、寝るのも仕事のうちと考えて昼のうちに睡眠を取らないといけません。
長距離便に限らずトラック運転手という職業は大変なことが多いですが、往復約2500km、4~5日間に渡る航海を、事故もなく無事に終わるたびに味わう達成感たるものは、何事にも変えられない充実感がありますね。
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