半分の荷物でも過積載?
Y運輸とG運送の2社は、過積載のエピソードには事欠かなかった。もちろん、運転手仲間の話なので誇張された話も多かったろうが、それでもみんなが「あそこならやりかねないわな」と納得してしまうのは、少なからずそれに近い状況を見ているからである。
そんなエピソードのひとつ。その運送会社のトラックが、神奈川県川崎市の東急・田園都市線の溝の口駅近くの現場に石膏ボードを運んだときのことである。4トン車の場合、サブロク(三尺×六尺のボード)は、向かい合わせにして二山ずつ、四山積めることなっていて、さらに積む場合には、真後ろから横向きにして一山積むのが普通である。(もちろん、重さから言ったら普通じゃないが…)
このトラックも、当然そういう形で荷物を運んできた。(…と、思う)しかしこのトラックは、二カ所の荷物を一緒に積み合わせてきた。二か所の現場はすぐ近くである。
現場で荷物を下ろす場合、道路に面した現場にトラックを横付けして下ろすときには、当然片側の荷物が先に下りることになる。積み合わせで二か所の荷物を積んだ場合、次の現場までの運転を考えて、荷物が前後左右、均等になるように下ろすのが普通である。
しかし、このときは次の現場が近かったこともあり片側だけ荷物を下ろして次の現場に向かうことにしたらしい。俗に言う『片荷』の状態で、府中街道をよちよち走り始めた。そこで運悪く(?)、警察の重量測定(俗にいうカンカン)に捕まってしまったのである。
トラックは大きく傾いていて、荷物を半分下してきたことは一目瞭然である。それにもかかわらず、その半分の荷物で積載重量オーバーに引っかかってしまった。通常、いかに過積載しているかがよくわかると思う。「半分の荷物はどこに下ろした」。
ところがその時に運転手は敢然として言い放った。「いいや、積んできた荷物はこれだけだ」。どう見ても弁解の余地はない。こんな形で荷物を積む運転手はいない。 (山高一浩)