めざせトレーラ生産台数年間8000台! 生産能力を40%アップした日本トレクスの新工場棟をレポート

めざせトレーラ生産台数年間8000台! 生産能力を40%アップした日本トレクスの新工場棟をレポート

 極東開発工業グループで、大手トレーラメーカーの日本トレクスは2025年3月4日、愛知県豊川市にある本社工場内にトレーラ生産用の新工場棟が完成したと発表。同日、報道陣に新工場棟を公開した。ロボット導入などで生産能力を大幅向上した新工場棟をレポートした!

人とロボットが一緒に働く新工場棟

今年1月に本格稼働を開始した日本トレクスの新工場棟。建設場所はもともとシャシープールだったという。ちなみに本社工場内の工場棟にはABCの順で名前が付いており、新工場棟は「E工場」と呼ばれている
今年1月に本格稼働を開始した日本トレクスの新工場棟。建設場所はもともとシャシープールだったという。ちなみに本社工場内の工場棟にはABCの順で名前が付いており、新工場棟は「E工場」と呼ばれている

 新工場棟は、ウイングセミトレーラ、アオリ付きセミトレーラ、平床セミトレーラ、コンテナセミトレーラ、重機運搬用セミトレーラのメインフレーム組立溶接工程と塗装工程を行なうための工場棟(ボディ架装は別の工場棟で行なう)で、今年1月にフル稼働を開始した。

 特徴は、これまで別々の場所で行なわれていたメインフレーム組立溶接工程と塗装工程を1つの建屋に集約し「一貫ライン」を構築している点で、メインフレーム組立溶接工程には同社初となる自動溶接ロボットを2台導入。人とロボットが混在するハイブリッドな生産現場を構築した。

 また塗装工程でも、ショットブラスト用ロボット12台、粉体塗装用ロボット4台を導入。AGV(無人搬送機)も5台導入し、省力化/省人化を推進した。同社では、こうした作業の効率化によって、従来比で約40%の生産能力アップを見込んでいるという。

人と自動溶接ロボットが一緒に働くハイブリッドな生産現場が持ち味のウイングセミトレーラ、アオリ付きセミトレーラ、平床セミトレーラの生産ライン。写真右側3本がメインラインで、左側の2本はメインラインで対応しにくい特殊仕様の車両の溶接を行なうためのラインという
人と自動溶接ロボットが一緒に働くハイブリッドな生産現場が持ち味のウイングセミトレーラ、アオリ付きセミトレーラ、平床セミトレーラの生産ライン。写真右側3本がメインラインで、左側の2本はメインラインで対応しにくい特殊仕様の車両の溶接を行なうためのラインという

 ちなみに同社の2024年度のグローバルでのトレーラ生産台数は3300台の見込みで、新工場がフル稼働する2025年度は3900台を予定。さらに同社では2030年までにトレーラ生産台数8000台を目指す長期目標を掲げており、少子高齢化の影響などで需要が高まっているトレーラのさらなる増産に向けた今後の取り組みにも注目だ。

 このほか、屋上に本社工場で使用する電力の10〜15%を賄うことができる太陽光発電システム(750kW)を設置し、建屋横に1800kWのNAS電池蓄電システムを設置。休日に太陽光発電で蓄えた電力を活用することで、年間約3.2tのCO2排出量削減を見込む。

【画像ギャラリー】こんなになっているなんて知らなかった!日本トレクスの新工場棟の内部を見てみよう!(13枚)画像ギャラリー

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