三菱ふそうサービス技術コンテスト全国大会。SC北海道〈2〉がV

三菱ふそうサービス技術コンテスト全国大会。SC北海道〈2〉がV
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優勝したSC北海道〈2〉
19日、三菱ふそうトラック・バスが主催する第45回サービス技術コンテスト全国大会が、同社喜連川研究所(栃木県さくら市)で行なわれた。今年は地区予選を勝ち抜いた36チーム108名が出場し、SC北海道〈2〉の優勝で幕を閉じた。
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石井秀一 三菱ふそうセールスジャパン サービスマネジメント部長(右)と、村木正人 セールス・アフターセールス本部 FUSOアカデミー部長(左)
昨年、市場調査会社JDパワーの顧客満足度調査スコアで総合2位、アフターサービス3位の結果だった三菱ふそう。同大会開催のねらいは顧客満足度だ。今年は同大会を通じてサービススタッフの技術力アップを図り、1位獲得を目指す。石井秀一 大会実行委員長(三菱ふそうセールスジャパン サービスマネジメント部長)は「基礎能力はついている。ハイテクな高度技術の教育と部品供給を改善していきたい」とコメントした。三菱ふそうは一昨年前にそれまでの教育部門をふそうアカデミーと改称して、技術力強化を本格化させている。同時に若手メカニックの採用も積極的に行なっており、同校のカリキュラムを通じてアドバイザーを育てたい考え。いっぽう代替サイクルの長期化にともなう低年式トラックへの部品供給安定化は急務だ。
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競技前のようす。余談だが今回から進捗状況が我々にもわかるようパネルで表示されるようになった
競技は午前9時にスタート。各チームは3人1組で、4つのグループに別れて学科試験(筆記)とトラブルシュート競技(実技)にのぞんだ。ちなみに前日、出場者たちは平日の喜連川研究所を訪れ、トラックの開発の最前線を見学してモチベーションを高めたという。学科試験は公平を期するため非公開とされているが、その内容は大型トラックの電子制御系やハイブリッド技術に関する問題が中心だ。いっぽうトラブルシュートは、フロントの問診スキルとメカニックの修理スキル、そしてチームの連携が重要。筆記300点に対してトラブルシュート1000点なので、その比重は明らか。
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フロントのようす。問診は知識+αが必要で、正直とてもむずかしい
トラブルシュートは、まずお店にユーザー役(厳密にはドライバー役)がやってくるところからはじまる。他社から乗り換えたばかりという設定のユーザー役によれば「エンジンがかからなくなった」らしい。さらに「エアサスの動きが悪い」とも。フロントが詳しい症状を聞き出そうとするが「よくわからない」とはぐらかされる。わざと情報を小出しにしているのだ。ちなみに原因はヒューズである。ここでどれだけ役に立つ情報が聞き出せるかがフロントの腕の見せどころ。あるチームはユーザーと会話が噛み合わず、出だしで大きくつまづいていた。逆にうまく問診ができたチームは、制限時間を余らせてフィニッシュするほど。なにしろ原因自体はシンプルなのだ。
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メカニックのようす。道具の使い方など全体的に手際の良さがいる。2名の連携がカギだ
いっぽうメカニックは2名の連携が重要だ。車両が入庫されたらセオリーどおりに各部の点検を行なって、フラッシャーランプ(ウインカー)不良やリフレクター破損、エンジン異音を発見してフロントに報告。またフロントの問診をもとにダイアグ(ECUに接続して呼称を診断する機械。テスター)を用いてエンジン始動不良の原因を特定し、修理を行なわなくてはいけない。フロントがうまく聞き出せず泥沼に陥ることも少なくないが、最終的な手作業においてはメカニックの経験と知識がものをいう。実際、現場でもメカニックの経験を活かしてフロントに転向する例も少なくないという。個人的には「機械イジリ」が少ない気もするが、おそらくこれがメカトロニクス化された現代トラックの整備の現実だろう。
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末廣明夫 取締役副社長 三菱ふそうセールスジャパン本部長
末廣明夫 大会会長(取締役副社長 三菱ふそうセールスジャパン本部長)
「全員が良い緊張感をもっている印象でした。この感じを次回にも引き継ぎたいと思っています。昨日は喜連川研究所の平日の試験をしている実際の現場を見てもらいました。普段、コンテストは休日なので、試験風景を見ることができません。メカニックたちがトラックの開発の最前線のイメージをしっかりもって日常の業務に持ち帰ってもらえば、もっともっと強いサービス体制をつくる礎になると思います。選手たちもよかったと話していました。競技内容は基礎的なところにもどしたつもりです。1つ1つ丁寧にいつもどおりやればたどり着けるはずだと。高いモチベーションで参加してくれています。(出場を)目指すうえでレベルも高まっていると思う。電子関係は複雑になっているが、調べる機械(の性能)もよくなっている。いかに新しい機械や技術を吸収してついていくかだと思います」。今後は、メカニックはダイアグ装置で診断して修理するスキル、フロントはコミュニケーションの技術を、それぞれ高めていくという。
18時40分、順位発表と表彰式が宇都宮のホテルで行なわれた。
ここでは発表された上位3チームのみを紹介する。
優勝(1位)
[チーム]SC北海道〈2〉
[フロント]鈴木泰宏(札幌東支店)
[メカニックA]今野正英(北見支店)
[メカニックB]茨木達也(空知SC)
2位
[チーム]SC東海・北陸〈4〉
[フロント]石塚富彦(浜松支店)
[メカニックA]高橋秀典(浜松支店)
[メカニックB]大石拓郎(浜松支店)
3位
[チーム]SC東海・北陸〈3〉
[フロント]磯部 桂(半田支店)
[メカニックA]水谷 充(一宮SC)
[メカニックB]木下慶治(星崎支店)

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