ブリヂストンの「技能オリンピック全国大会」から その2

ブリヂストンの「技能オリンピック全国大会」から その2

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競技の流れはこうだ。まず、運送事業者の車両管理担当者に挨拶し、作業内容を確認。作業はタイヤサービスカー(小型トラック)による出張作業で、ユーザーの駐車場で行なう設定。作業の流れは、4×2トラクタのジャッキアップ、外輪取り外し、内輪取り外し、パンク修理(ただしこの作業は省略)、空気充填(内輪のみ)、ハブ/ホイール/ナットの清掃点検、内輪取り付け(トルク管理)、外輪取り付け(トルク管理)、ジャッキダウン、後片付け、作業報告書作成など。この間に全輪の不具合箇所の有無の点検も行なっている。それが終了した後、車両管理者への報告となるのだが、この車両管理者(…に扮した人)からドッキリ質問が……。「ブリヂストンさんは最近リトレッドに力を入れているようだけど、あれどうなの、どんなメリットがあるの?」。もちろん、この質問にきちんと答えられるかどうかも審査の対象となるのだ。

こうして選手は汗だくで競技を終えるのだが、制限時間を短縮すると加点、オーバーすると減点となるので、キビキビとした動きでテキパキと作業をこなしていたのが印象的だった。
全選手の競技終了後、昨年の技能マイスターの栄誉を獲得した鈴木繁夫さんによる模範演技が披露された。この技能マイスターは、言ってみればタイヤサービスの「トップガン」といった存在で、まだ全国に3人しかいない。技能マイスターは、ここブリヂストンの市川研修センターなどで技能の伝承や更新の育成にあたっている。
黒一色のユニフォームを着た鈴木さんの作業は、さすがにそつがない。途中、工具や機材の説明もしてくれるので、見ている方も「納得」である。ちなみにブリヂストンでは、整備機器メーカーと共同で、トルクセッター、電動レンチ、3倍力レンチ、6倍力レンチ、飛来防止装置などの開発も行なっている。

そして、いよいよ受賞者の発表だ。優秀賞には、関東地区からブリヂストンタイヤサービス信州・佐久トラックセンターの井手誠さん、近畿四国地区からミスタータイヤマンナカシマの中嶋教夫さん、最優秀賞には、西日本地区からシンコウ新門司営業所の水上弥亮さんが選ばれた。井手さんと水上さん、さらに札幌西タイヤセンターの中山正志さん、東大阪タイヤサービスの橋本龍也さんの4人は技能マイスターにも認定された。

トラックの最前線の現場で、人知れず汗を流して黙々と働いている人は数多くいる。その人たちの励みになり目標になり、何よりも誇りになるこうした催しは、もっともっと知られていいし、盛んになっていいと思う。とても楽しい取材だった。 (キャップ)

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