新しい時代への第一歩はもうすぐ!
アーチオンのスタート人事で、意外にダイムラー出身者が目立つのは、ダイムラーが世界のトラック・バス事業で長年にわたり実績のあるメーカーと考えれば違和感はない。乗用車メーカーたるトヨタが、商用車および燃料電池の世界戦略パートナーとしてダイムラーと組む意味もそこにあるからだ。
ダイムラーが人事面でアーチオンの経営に深く関与し、日本メーカーとの協業を進めていく意思を示したことには、あれこれ想像が膨らむところもあるが、やはり燃料電池をはじめコンポーネントの共通化や新興国市場での強さなどメリットが大きいのだと思う。
一方で、これまでトヨタ・ダイムラー協業による日野と三菱ふそうの経営統合で強調されてきた、『日本の商用車メーカーの強化』というイメージが少し薄れたことは否めないが、これは実際に来春以降の経営活動の推移を見ていくしかない。
しかし認証不正問題で揺れた日野にとっては、企業風土の刷新を進める姿勢を内外にわかりやすく示せる効果はとりわけて大きい。いままでとまったく違うバックグラウンドを持ったトップは、文字通り象徴的な存在となるからだ。
また、調達のエキスパートが(日野の)トップになるというのも、将来の三菱ふそうとの製品共通化では、日野のこれまでのサプライチェーンにこだわらない姿勢をうかがわせるもので、やはり象徴的である。逆に、三菱ふそう側あるいはダイムラー側からみると、トヨタ系のリソースにアクセスしやすくなる可能性もあるわけで、こちらも協業の重要なポイントとなっていくだろう。
これからの世界において、燃料電池車に代表される水素エネルギー車や電動車、さらに引き続きディーゼル車を開発・供給しながら、いかに日本の商用車メーカーが生存していくか、新しい戦略を展開する時代が来春スタートする。
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