舗装上で無人の大型セミトレーラ連結車5セットを24時間走行させる、という国内初の取り組みが7月18日、福島県内にある大成ロテックの実験施設で本格的にスタートした。日野自動車が開発中の自動運転技術を活用し、『未来の見える化』を実現するという。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/フルロード編集部、日野自動車
次世代舗装技術の実用化をスピードアップ

無人セミトレーラ連結車が走行するのは、大成ロテックが新設した『舗装のテストコース』。大成建設グループが福島県田村市内に設置する「次世代技術実証センター」内の実験施設のひとつである。
『舗装のテストコース』は、同社が開発中の新しい舗装材料および路盤材量、路盤断面構造を実際の施工サイズで試験するために設計された、全長909mのオーバル型試験路だ。走路は50mずつ区分され、18種の次世代舗装技術を同時に耐久試験できるようになっている。
その耐久試験で使われるのが無人セミトレーラ連結車で、正式には『自動運転荷重車両』(荷重車)と呼ばれる。荷重車5セットが、時速40kmの一定スピードかつ24時間連続で試験路を周回、それをさらに何度も繰り返して実施することで、新開発の舗装・路盤の耐久性評価に要する時間を、大幅に短縮するのが狙いだ。
同社によると、荷重車が24時間走り続けることで、本来なら10年の歳月が必要となるような耐久試験データを数年で取得できるようになり、舗装やその補修、路盤打ち換えなどの工事頻度を減少できる高耐久アスファルト、長寿命アスファルト、繊維シート路盤補強材、また木質材料を混合して低炭素化を図るバイオアスファルトといった、次世代舗装技術の実用化が早められるという。
同社の加賀田健司社長はこれを「『未来の見える化』の実現」と表現し、舗装および道路工事に由来するCO2排出量の削減を進めていくと述べた。
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