誰でもトラック・エルフミオでも4WD追加
AT限定普通免許取得者でも運転できるトラックとして、2024年7月に正式発売を開始した車両総重量3.5トン未満・積載量1トン級の「エルフミオ」にも、同時に4WDモデルを追加した。
こちらのパワートレーンはエルフミオ2WDと同じで、最高出力120PS・最大トルク32.6kgmの1.9リッター直噴ディーゼル「RZ4E」と6速トルクコンバータ付ステップATに、VCU式トルクスプリット型パートタイム4WDシステムを組み合わせたメカニズムとなる。
4WDシャシーは、フルフラットロー・後輪シングルタイヤのみで、3人乗シングルキャブと6人乗ダブルキャブの2車型を設定する。シングルキャブ車はJC08モード燃費13.5km/Lで、中量車燃費基準達成車となる。なお、エルフミオの場合、2WDに設定のあるスペースキャブだが、いまのところ4WDでの展開はない。同社では「市場の反応を踏まえて(設定を)検討する」としている。
また、エルフミオのADASパッケージオプションは、『スタンダード』のみとなるが、エルフ系と同じく「交差点プリクラッシュブレーキ(右左折時)」の対向車両検知機能を、2WDに先行して実装する。
普免で運転できるダブルキャブ4WDのポテンシャル
エルフミオ4WDの標準平ボディ完成車は、2WDと共通の荷台を架装し、シングルキャブが最大積載量1.0トン、ダブルキャブが最大積載量0.75トンとなる。シングルキャブには2WDと同様「ドライバン完成車」を設定し、大手車体架装メーカー・パブコと共同開発した軽量アルミバンボディにより最大積載量0.85トンを確保する。
いっぽうダブルキャブ(3DF-NHS87AF-EP7WA-P)で想定している用途のひとつが「可搬消防ポンプ積載車」だ。
可搬消防ポンプ積載車とは、シャシーには消防ポンプを固定装備しないものの、可搬消防ポンプ(人力で運べる消防ポンプ機器)および固定配管、操作装置を搭載した上で、CD-1型などの消防ポンプ車に類似する外観を備えた消防車両を指し、地域防災を担う消防団で主に用いられている。
消防団という性格から、AT限定普免取得者でも運転でき、かつ1台で複数の団員が現場へ急行できるのは重要なポイントで、エルフミオの開発段階から視野に入っていた用途である。近年は車両総重量3.5トン未満、ダブルキャブのディーゼル4WDシャシーが不在だったことから、地域防災という観点でも、待望のトラックが誕生したといえるだろう。
【画像ギャラリー】雪国でもエルフ人気は確実! 新型エルフとエルフミオの4WDモデル(3枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方