燃費向上と業界をリードするデザイン
もちろん新型アンセムでも燃費は向上しており、パイオニアと同じく新型MP13型エンジンの採用などで従来モデルとの比較して燃費を10%向上した。コスト削減が求められる運送会社にとって燃費向上は大きなメリットで、10%の向上は(北米市場の)トラック1台当たり年間で5000ドル(約72万円)の燃料節約に相当するという。
コウセイロ氏は「これはフェイスリフトやリフレッシュではありません。車名以外はゼロから開発した全く新しいトラックです。地場輸送用トラックにできることを改めて考え直し、お客様の収益に直接影響を与えるところに重点を置きました」と話している。
地場輸送用のアンセムではデイキャブが多くなりそうだが、他に44インチスリーパーと64インチスリーパーも用意する。キャブ空間はパイオニアと同等で、ドライバーの疲労を軽減し満足度を高める上質な作業環境を提供する。
内装は全面的に再設計され、従来より9インチ(22.9センチ)広くなったキャブによりさらに快適になった。新型ワイドベースシートはオプションで空調、ヒーター、マッサージ機能を搭載することができる。
スリーパーオプションはミッドルーフながらドライバーが車内で直立するのに充分なヘッドルームを確保し、高品質のマットレスと遮光カーテンにより車内でも快適な休息を実現する。
先進安全装備も充実している。オプションのデジタルミラー(カメラ)システムは従来型ミラーの死角をなくす装備だ。標準のフロントエアバッグの他、統合カーテンエアバッグ(ICA)など先進のドライバー保護機能も搭載する。ICAシステムは運転席左側上部(左ハンドル車)のオーバーヘッドコンパートメントに搭載するもので、車両が横転した際にドライバーをサイドガラスとの衝突から保護する。
統合された運転支援システムは、管理された試験下ではニアミス事故を43%削減することが実証されている。
内装デザインを担当したチーフデザイナーのヴィンス・ローカーズ氏によると「内装という観点では、新型アンセムとパイオニアは同じ寸法、機能、仕上げとなっており、どちらを選んでも優れた快適性を実現します。唯一の違いは、大型スリーパー(76インチ)の設定がパイオニアにしかないことです」とのことだ。
稼働率の向上と適した用途
新型アンセムには先進的なテレマティクスプラットフォームとして「マック・コネクト」が搭載され、運行管理者にかつてない可視性を提供する。
また、ドライバーアプリの「マイマック」により、ドライバーもスマートフォンからキャブの冷暖房の管理、オイルレベルのチェック、タイヤ空気圧の監視ができる。ソフトウェアアップデートは無線(OTA)なので、夜間に予約なしで可能だ。
予測メンテナンス(予防整備)は予定外のダウンタイムを20%低減することが実証されている。マックの「ガードドック・コネクト」と合わせた場合、サービスデータがディーラーに自動送信され、全体的なダウンタイムを37%削減するという。
新型アンセムが適した用途は、バルク/ドライバルク輸送、食品・飲料輸送、一般貨物、軽量カサもの輸送などで、コウセイロ氏は「アンセムは軽量なので燃費に優れ、特に重量が重視される用途に適しています」と話している。
新型アンセムは2025年の8月から受注を開始し、生産開始は2026年の1月からを予定している。また全米のディーラーに評価用のデモンストレーションモデルを用意する計画だ。
「このトラックはお客様からの幅広い意見に基づいて開発されました。マックの伝統である堅牢性と信頼性に、最新の技術とデザインを融合した新型アンセムは、今日の課題を解決するだけでなく、将来のニーズにも対応できるトラックとなっています」(ランドール氏)。
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