このほどいすゞ自動車と富士通は、ソフトウェア・デファインド・ビークル(商用SDV)開発に関するパートナーシップ契約を締結した。両社はクラウド型運行管理システム「MIMAMORI」の情報基盤「GATEX」の開発でタッグを組んできた経緯があるが、今回取り組む商用SDVとは?
文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/いすゞ自動車、フルロード編集部
いすゞと富士通のパートナーシップ
いすゞと富士通は、物流効率化やカーボンニュートラルの実現などの物流の課題解決に向け、商用モビリティの特性を踏まえた「商用SDV」開発強化に関するパートナーシップ契約を締結した。
それぞれの強みである商用車とデジタルのノウハウを活かし、ソフトウェアアップデート時代における開発体制のあり方、ソフトウェア人材の育成、開発効率化や開発基盤の強化などに取り組むという。
これまでに両社は、共同出資するトランストロン社とともに、高度な運行管理や稼働サポートサービスを提供する商用車情報基盤「GATEX」を開発し、2022年10月より運用を開始。
いすゞでは、約57万台の商用車にGATEXをベースとした高度純正整備「PREISM」やクラウド型運行管理システム「MIMAMORI」などのテレマティクスサービスを提供してきた。
いっぽう今回開発するSDVは、スマホやPCのOSように通信機能によってソフトウェアをアップデートし機能性を高めることができる車両のことで、テレマティクスサービスやEV、ADAS(先進運転支援システム)、自動運転技術など、さまざまなソフトウェアが必要なクルマが、より高度なシステムを獲得する上で欠かせない技術といえる。
また商用SDVにおいては、より高度なデータ活用が可能となり、輸送効率向上や、物流の可視化による業務効率化、BEV・FCVのエネルギー管理の最適化などが期待されている。
今回のパートナーシップでは、将来的にGATEXを商用SDVのデータ利活用基盤として深化させ、新たなソリューションの開発および提供を行なうとしている。
なお、いすゞグループは2023年5月に発表した中期経営計画で、総額1兆円のイノベーション投資を行うことを表明しており、このうち、次世代SDV・自動運転・コネクテッドなどの技術・サービスの開発・拡充については、今回パートナーシップの締結がその基盤づくりの入口となる位置づけだという。
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