マックが長距離輸送用の大型トラック「パイオニア」を発表! 創立125年の老舗による最新鋭のアメリカンビッグリグ

次世代のリビング環境

マックが長距離輸送用の大型トラック「パイオニア」を発表! 創立125年の老舗による最新鋭のアメリカンビッグリグ
インテリア(スリーパー側)

 パイオニアで用意されたキャブ構成は次の通り。デイキャブも用意するが、北米の長距離輸送は1航海が1カ月に及ぶこともあり、運転席の後ろに広大なスリーパー(寝台スペース)を備えたモデルが主流になりそうだ。

・デイキャプ
・44インチ ミッドルーフスリーパー
・64インチ ミッドルーフスリーパー
・76インチ ミッドルーフスリーパー
・76インチ ハイルーフスリーパー

 モジュール方式により用途に応じて最適な構成を選択でき、スリーパーはベーシックなフラットバンクからリクライニングバンクを備えたプレミアムオプション、汎用性の高いフレックス・スイート・オプションまで、それぞれに固有の機能を用意した。

 特に76インチ(前後長 約190cm)スリーパーのフレックス・スイートは下段ベッドを後壁に向けて回転させることでより広い居住空間を確保可能としたほか、折り畳み式のダイネットエリアと、リクライニングマットレスなど、食事・リラクゼーションのために快適な空間を提供する。

 マックは高品質の金属製ハンドルと押し出し材をキャビン全体のあらゆるインテリア/タッチポイントに採用している。これは同社のインテリアデザインの特徴となっており、素材の耐久性を高めるとともに、細部にこだわった洗練された手触りを提供するためだという。

強化された機能性と安全性

マックが長距離輸送用の大型トラック「パイオニア」を発表! 創立125年の老舗による最新鋭のアメリカンビッグリグ
インフォテインメントシステムは現代的で、機能性を重視

 ドライバーの安全性はトラック開発の最優先事項だ。パイオニアにはフロントエアバッグのほか商用車向けの最新のアクティブセーフティ、およびパッシブセーフティ機能が盛り込まれた。

 新設計のADAS(先進運転支援システム)「マック・プロテクト」がパイオニアには標準装備される。

 機能性と安全性は開発においても重点が置かれ、例えばキャブの乗降ステップは建設業界からヒントを得たという独自のデザインを採用し、幅が広く、グリップ面も最適化した。

「弊社のユニークな点は、まず機能を捉えてから形状を追求することです。ステップはグリップ力を高めたトレッドと、滑り止めを備えたエッジを採用しています。ステップ開口部は雪や氷を落とすためです。幅が広くドライバーは安定した足場を確保できます」(イェーツ氏)。

 手すりやダッシュボードの設計も、キャブに安全にアクセスするためだ。ドアアハンドルはトラック全体に渡って一貫した感触と操作性を維持し、全体の品質を高めている。

 ドアマウントのルーバーを備える先進的なHVAC(空調制御システム)は、ドライバーのショルダー部に加えてウィンドウに直接冷暖房を送り、快適性・視認性をさらに向上させる。

優れた空力性能と高効率パワートレーンで11%の燃費向上

マックが長距離輸送用の大型トラック「パイオニア」を発表! 創立125年の老舗による最新鋭のアメリカンビッグリグ
MP13型エンジンは単体で最大3%の燃費向上をもたらした

 巡航速度の速い北米の長距離トラックでは、空力性能が燃費に直結する。

 パイオニアはウィンドシールドのアグレッシブな角度と、流線形のシャシーデザインを特徴とし空気抵抗を低減した。オプションで従来のミラーを置き換える革新的なデジタルミラー(カメラ)システムも搭載可能で、これも空力性能向上に貢献する。

 空力性能とドライバーの運転ポジションは相反する要件だが、設計チームはドライバーのポジションを第一に考え、これをもとにウィンドシールドやドア構造など周囲のあらゆる要素を設計することで最適な視界と空力性能を両立させた。

「このトラックは、クラス最高の快適性と空力性能を最大限に発揮するよう設計しました。低いフェンダーと、フロントグリルからスリーパーバックまで続く連続面など、あらゆるディテールがマックならではの堂々たるプレゼンスを維持しつつ、空気抵抗を減らし燃費効率を高るように設計されています」(イェーツ氏)。

 パイオニアの空力性能と、エンジン・トランスミッションの改良を合わせると、マックの同クラスのトラックと比較して燃費は最大11%も向上している。

 同社で初めて採用されたデジタルミラーシステムは、従来のミラーに代わりスリーパー上部のポッドに収納したカメラを活用するもの。もちろん、死角をなくしドライバーの視界を改善する効果も期待できるが、空力改善により燃費も向上する。デジタルミラーだけでも約1%の燃費向上が期待できるという。

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