クルマをリースで使用するユーザーが増えているが、特にトラックではその傾向が顕著になっている。
こうしたことからトラックメーカー各社ではリース商品の販売に力を入れているが、このほど三菱ふそうも小型トラックの「キャンター」向けの新商品の提供を開始した。
トラックのリースの現状をふまえて、この「FUSOパワーリース」の概要をご紹介しよう。
文・写真/トラックマガジン「フルロード」、図版/三菱ふそうトラック・バス
まずはトラックのリースのデータから
社団法人日本自動車リース協会連合会のデータによると、2024年現在、リース車の台数は乗用車が231万0974台、トラック/バンなど貨物車が163万408台。
貨物車の自動車保有台数は約1460万台なので、貨物車のリース車比率は約11%となるが、これは乗用車のリース車比率である約3.6%と比べてかなり高い比率だ。
新車販売台数におけるリース車の比率も高率で推移しており、このことからも年々ユーザーがリースを選択するケースが増えていることがわかる。
また、カーリースには大別してファイナンスリースとメンテナンスリースがあるが、公益社団法人リース事業協会の車種別リース車保有台数調査結果を元に2024年3月末現在の比率を算出すると、トラックの場合、ファイナンスリースが約32%なのに対し、メンテナンスリースが約68%となっており、メンテナンスリースがすう勢を占めるとともに、比率も徐々に高めていることがわかる。
ちなみにファイナンスリースとは、リース会社は、車両代金および自動車諸税・保険料などの費用を負担し、車両の保守管理に関する費用はリース契約に含まずにユーザーが負担する方式である。
いっぽうのメンテナンスリースは、ファイナンスリースにプラスして車両の保守管理に関する費用(車検整備・点検整備・故障修理・代車提供などのメンテナンス費用)をリース会社が負担する方式である。
ファイナンスリースが自動車そのものを貸し付ける金融的な性格の強いリースであるのに対して、メンテナンスリースはサービス的性格の強いリースと言えるだろう。
もちろんメンテナンスリースではリース料が高くなるが、点検等のスケジュール管理が不要になり、コストも平準化して管理もしやすくなるというメリットがある。
さらに付加価値をプラスした「ふそうパワーリース」
三菱ふそうが3月から提供を開始した「FUSOパワーリース」は「キャンター」向けのリース商品で、すでに提供を開始している「eキャンター」専用の「FUSOグリーンリース」のコンセプトを継承。
車両の導入から保守点検まで「パッケージ化&ワンストップ」することによって、ユーザーにとって選びやすく、より実用的なリース商品になることを謳っている。
パッケージは3タイプあり、「ライト」は車両のみが対象のファイナンスリースだが、初年度の6カ月・12カ月の法定点検が無償で付帯。
メンテナンスリースの「スタンダード」と「スーパー」では、FUSO販売店への点検整備入庫時に代車としてレンタカーが提供されるほか、ユーザーがトラックの電動化を検討される際には、EV化のコンサルティングや「FUSO グリーンリース」の提案を速やかに受けられるという。また「スーパー」では、万が一の場合のロードサービスも付帯している。
「ライト」「スタンダード」「スーパー」の3商品とも三菱ふそうのテレマティクスサービス「トラックコネクト」を使うことができ、従来のリース商品が対象としていた車両・メンテナンスに加えて、テレマティクスやロードサービスなど、ユーザーの車両保守管理に有用なアイテムをパッケージに組み込み、ワンストップで提供するとしている。
三菱ふそうでは、商用車におけるリースは、車両およびメンテナンスなど付随費用を月額で支払うことで、コスト支出を平準化でき、ユーザーの経営の安定化につながるほか、期間満了による新型車への乗り換えによって、ユーザーは最新の安全装備や環境性能を享受し続けることができることを訴求しており、現金購入が中心の自家用トラックユーザーにとっても、リース契約検討の契機となる商品であることをアピールしている。
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