まだまだ先の話だろうと思っていたら、意外と身近なところから使われ始めました。CJPT/新明和工業の燃料電池電気自動車(FCEV)塵芥車=ゴミ収集車が全国各地で走り始めています。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/新明和工業・フルロード編集部
全国各地で走り始めたCJPTのFCEV塵芥車
新明和工業は、CJPT(Commercial Japan Partnership Technologies)のカーボンニュートラル社会の実現に向けた活動の一環で、水素燃料電池EV(以下 FCEV)をベースにした塵芥車の製作に協力しているが、このほどそのFCEVに架装した塵芥車(ゴミ収集車)が走行を開始した。
FCEVは、走行および架装物を作動させる際に水素燃料により発電した電力を動力源としているため、ゼロエミッションおよび低騒音化を実現している。これにより、CO2を排出しない作業が可能となり、カーボンニュートラル社会の実現に貢献する。
新明和工業は、環境に配慮した持続可能な社会の実現に向け、エコフレンドリーな車両の開発に取り組んでいるが、本件はFCEVの実用化を推進し、その利点を広く社会に示すための重要な一歩となるとしている。
走行は、3月から福岡市、4月から東京都 千代田区で開始され、順次都内10区市で開始される。その効果や利点を評価するとともに、今後の普及に向けた課題や改善点を抽出する予定である。
ベースとなる架装は、2~3トン車級回転板式塵芥車「G-RX」で、排出方法はダンプ式だ。
NEW環境展の新明和ブースにも登場
水素燃料電池トラックに架装した新明和工業の塵芥車は、5月22日から3日間、東京ビッグサイトで開催された「2024New環境展」にも出品された。
そのスペックボードによると、車両3トンクラスで、型式は「2RG-XZU712改」。FCスタックの最高出力は107kW、モーターの最高出力/最大トルクは106kW/300Nm。高圧水素タンクは、水素貯蔵量10.5kg、タンク内圧は70MPaとなっている。
架装型式はGR063-1635Eで、最大積載量は1800㎏、ホッパ容積は0.37立方メートルで、積み込みサイクルは10~11秒(回転板式)、排出時間は約12~13秒(ダンプ式)となっており、積み込み能力はディーゼル車と同等のスペックを確保していることがわかる。
また、荷箱内の寸法は長さ2515mm、幅1965mm、高さ1230mmで、通常のディーゼル車より荷箱の長さが175mm短くなっている。また、車両寸法は長さ6485mm、幅2180mm、高さ2240mmで、通常のディーゼル車より長さで720mm、幅で80mm、高さで10mm大きい。長さなどの寸法が異なるのは、キャブバックに電動油圧ユニットなどが収められているからだろう。
いずれにしても、BEVやFCEVなどの新しい車両も、塵芥車のような身近な特装車から実用化が始まっていくのかもれない。
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