ついに「EV特装車の大本命」が市販化!! 新明和工業が発売した新型eキャンターベースのEV塵芥車に迫る!!

ついに「EV特装車の大本命」が市販化!! 新明和工業が発売した新型eキャンターベースのEV塵芥車に迫る!!

 新明和工業は2023年7月3日、三菱ふそう新型eキャンターをベースとするEV塵芥車を発売したと発表した(発売日は同年5月21日)。ついに市販化された「EV特装車の大本命」の実力に迫る!!

文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/新明和工業、「フルロード」編集部

新型eキャンターの強みを活かした新明和のEV塵芥車

新明和工業が発売したEV塵芥車。イメージ画像は新型eキャンター2トン車級ベースのG-PXで荷箱容積4.0リューベ仕様。架装型式はGT043-5434E
新明和工業が発売したEV塵芥車。イメージ画像は新型eキャンター2トン車級ベースのG-PXで荷箱容積4.0リューベ仕様。架装型式はGT043-5434E

 今回発売されたEV塵芥車は、三菱ふそうの小型EVトラック、新型eキャンターをベース車両に採用する。

 2023年3月デビューの新型eキャンターは、新開発のeアクスル(モーター内蔵車軸)と高性能バッテリーを搭載し、ホイールベースやバッテリー搭載数の組み合わせで国内28車型を展開。航続距離(国交省審査値)は最大324kmを誇る。

 また、ePTO(電気式のパワー・テイク・オフ=動力取り出し装置)を備えているのもポイントで、これによりディーゼル車に搭載される油圧駆動の架装物を作動させることができる。

 EV塵芥車は、このePTOで油圧駆動のゴミ収集装置を作動させることで、走行時はもちろん、収集時のCO2排出量ゼロや低騒音化を実現。ちなみに架装物はディーゼル車と共通で、搭載にあたり専用の追加部品は不要。使い勝手もディーゼル車と共通だという。

 ラインナップはプレス式の「G-PX」と回転板式(排出板式)の「G-RX」の2種類で、G-PXの2トン車級に3種類(荷箱容積4.0/5.2/6.4リューベ)、3トン車級に2種類(6.0/6.8リューベ)と、排出板式G-RXの2トン車級に1種類(4.0リューベ)、3トン車級に2種類(5.9/6.7リューベ)の合計8つのタイプを設定する。

 販売開始時期は2023年5月21日で、販売目標はシリーズ累計で年間25台。主な導入ユーザーとしては、自治体、廃棄物収集運搬業者、資源物収集運搬業者などを想定している。

ライバルメーカーのEVトラック開発状況は?

ePTOによりディーゼル車用の架装物を専用の追加部品なしで架装可能。これによりディーゼル車と同じ外観や操作性を実現する
ePTOによりディーゼル車用の架装物を専用の追加部品なしで架装可能。これによりディーゼル車と同じ外観や操作性を実現する

 新明和工業のEV塵芥車は2023年5月24日〜26日開催の「2023NEW環境展」で一足早く映像展示されている。同展示会では競合の極東開発工業とモリタエコノスもEV塵芥車を展示しているので、ここで一緒に紹介しよう。

 極東開発工業が参考出品したプレス式EV塵芥車「EVパッカー」は、新型eキャンターの2トン車級ホイールベース2500mmシャシーがベース。バッテリーパック1基搭載の標準キャブ車で、ePTOで油圧架装物を動かす。発売時期は明らかになっていない。

 架装物は基本的にディーゼル車と共通だが、作動時に装置から発生する「ウィーン」という作動音を小さくするため、独自の油圧システムを採用。静音性を高めている。充電は普通/急速の2方式だが、展示車にはワイヤレス充電のデモ機も装着されていた。

 一方、モリタエコノスは今年度発売予定の回転板式EV塵芥車「eパックマスター」を出品。ベース車両は極東開発工業同様、2トン車級、ホイールベース2500mm、バッテリー1基搭載の標準キャブ車で、ePTOで油圧架装物を駆動させる。

 架装物はディーゼル車と共通だが、展示車は専用の外装デザインを採用。スタイリッシュなデザインに加えて、自動開閉式テールゲートや3面式ハイマウントリアパネルなど先進装備を採用。ダンプ排出式で、ダンプ装置とバッテリーの干渉を防ぐため搭載位置を高めていた。

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