全日本トラック協会(全ト協)が「安全性優良事業所」を評価する「Gマーク制度」。認定事業所は、国交省や全ト協等からさまざまなインセンティブを受けられるほか、荷主等に対するPRなどで活用できるメリットもあるためGマークを申請する事業所は年々増加している。
そうした中、全ト協は12月15日、「2023年度貨物自動車運送事業安全性評価事業」(Gマーク制度)の認定事業所を発表。また今年の申請から長期安全認定の証となる「ゴールドGマーク」の事業所も発表された。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真・図/フルロード編集部、全日本トラック協会
あらためてGマークとは?
Gマークの「G」は 「Good/よい」「Glory/繁栄」の頭文字を取ったもので、同制度は、貨物自動車運送事業に携わる企業から優良な事業所を選定するため、全ト協が2003年より開始した制度だ。
会社単位ではなく事業所ごとに認定を行なうのも特徴で、Gマーク申請後、全ト協による厳正な審査が行なわれ、認定されると事業所にはGマークのステッカーが送られる。
審査項目の例としては、「過労防止を配慮した勤務時間を定め、これを基に乗務割が作成され適正に管理されているか」「定期点検基準を遂行し点検整備記録簿等が保存されているか」「過去3年間に第一当事者となる事故はないか」「行政処分はないか。ある場合は累積点数は何点か」「事業所内で安全対策会議を定期的に実施している」などだ。
また、Gマークには期限が設けられており、新規の場合は2年間、初回更新では3年、2回目以降の更新は4年間。更新を受けるには再度全ト協の審査を通る必要がある。
いっぽうインセンティブの面では、「違反点数の消去が3年から2年に短縮」「特殊車両通行許可の有効期間延長」、また「助成金の優遇」「損害保険料の割引(一部の保険会社)」等が挙げられる。
さらにGマークは、10年連続で取得すると国交省による表彰の対象となるほか、制度開始から20年目となる今年の申請から、20年連続(更新6回目から)の事業所には長期安全認定事業所としてゴールドGマークのステッカーが送られるようになっている。
2023年度のGマーク認定結果
制度開始以降、運送事業者の評価基準としてGマークが認知され、その広まりとともに認定事業所数も右肩上がりで増加している。
12月15日に発表された「2023年度貨物自動車運送事業安全性評価事業」(Gマーク制度)の評価では、新規・更新を合わせた申請事業所、9761事業所のうち9489事業所を認定。
2020~2022年度に認定した19555事業所と合わせると、Gマークの「安全性優良事業所」は過去最多となる29044事業所(昨年は28521事業所)となった。
この認定により、Gマークの事業所は、全国のトラック運送事業所数86405事業所(2023年12月1日現在)のうち33.6%を占め、3割が安全性優良事業所となっている。
また、今年度6回目の更新となったのは1052事業所で、長期安全認定事業所として認定。新たにデザインした「ゴールドGマーク」ステッカーを使用することが認められた。
同じ「ゴールド」でも免許制度ではペーパードライバーでもなれてしまうが、ゴールドGマークを取得するには20年という長きにわたり継続した努力が求められる。そのぶん長期安全認定事業所における信頼・安全への評価は非常に高いといえるだろう。
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