ドイツの工学分野の名門大学・アーヘン工科大学の研究チームが、モジュラー式の電動パワートレーンを備えた大型トラックの、水素燃料電池レンジエクステンダーによる走行に成功した。
コンセプトが山盛りなので少しわかりにくいが、既存のトラックに後付けしてゼロエミッション化でき、燃料電池により1000km以上の航続距離を実現できる電動パワートレーンを開発したということらしい。
BEVやFCEV大型車は車両価格が非常に高くなる。乗用車より長く使われることの多い商用車の脱炭素化では、レトロフィット可能な「電動化キット」も重要になりそうだ。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/PEM RWTH Aachen University
モジュラー式電動パワートレーンに燃料電池を追加
工学分野の名門校、ドイツのアーヘン工科大学(RWTH Aachen University)の電動モビリティコンポーネント生産技術研究科(PEM)は、モジュラー式電動パワートレーンの研究プロジェクト「SeLv」において新たなマイルストーンに到達した。
2023年12月6日、PEMが開発している電気トラックのプロトタイプが、テストコースでの水素燃料電池による試験走行に成功したことが発表された。
同車のパワートレーンは、燃料電池(FC)をレンジエクステンダー(EVの航続距離を延伸するための車載発電機)として活用する電動ユニットで、新型車とともに既存車両にもレトロフィット(後付け)可能なモジュラー式ユニットとすることをコンセプトとしている。
プロトタイプトラックは、デューレン地方にあるアルデンホーフェン試験場の低ミュー路、オーバルコース、急勾配など、ダイナミックな様々な路面をクリアした。
このテストコースは実際の環境を模したもので、PEMを率いるアキム・カンプカー教授はその意義を次のように説明する。
「実際の条件の下での試験走行により、大型トラックでのバッテリー電気駆動と水素燃料電池システムの協調が可能であることを示しました。基本的な機能を確認し、私たちは水素を使ったシステムとエネルギー・熱管理の試験に成功しました」。
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