トレーラを変えるだけでトラックの燃料消費が半分に!? BMWによる「電動セミトレーラ」の試験結果が衝撃的!

トレーラを変えるだけでトラックの燃料消費が半分に!? BMWによる「電動セミトレーラ」の試験結果が衝撃的!

 ドイツのBMWは、同グループの実際の物流において電気駆動の車軸を追加した電動セミトレーラ「eトレーラ」の試験を実施した。

 このトレーラはトレーラ・ダイナミクス社が開発したもので、ディーゼル車とeトレーラの組み合わせでは長距離輸送で48%もの燃料削減効果を確認したという。また電動トラクタと組み合わせた場合、無充電で600km以上を走行可能となった。

 トレーラに電動アクスルを追加する試みは他社も推進しており、欧州ではそのための法改正も行なわれた。既存のフリートを維持しながら燃料消費量(コスト)の削減と脱炭素を同時に推進することができる電動トレーラの可能性が拡がっている。

文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/BMW Group

BMWが「電動セミトレーラ」を試験

トレーラを変えるだけでトラックの燃料消費が半分に!? BMWによる「電動セミトレーラ」の試験結果が衝撃的!
BMWが実際の運行で試験したeトレーラ

 ドイツの自動車メーカー、BMWの物流を担うBMWグループ・ロジスティクは2023年10月25日、技術イノベーターのトレーラ・ダイナミクス社とともに電気駆動の車軸を追加した電動セミトレーラ「eトレーラ」の試験に成功したことを発表した。

 この試験は自動車メーカーのテストコースなどではなく、実際の運送において実施したもので、短距離から長距離まで様々なルートで行なわれた。ちなみにEUではトレーラ(被けん引車)に駆動軸を追加して動力を持たせることを可能とする法改正も行なわれている。

 eトレーラをディーゼル車と組み合わせた場合、短距離~中距離輸送では約46%のディーゼル燃料(軽油)削減効果を確認した。長距離輸送の燃料削減量はさらに大きく、48%以上となった。

 また、トラクタ(けん引車)側も電動とした場合、トレーラ側のバッテリーと駆動軸にのおかげでトラクタ単体より航続距離が延び、今回の実験では途中充電なしで600km以上をゼロエミッションで走行できることが確認された。

 短距離~中距離輸送の試験はドイツ南部にあるBMWのディンゴルフィンク工場(バイエルン州)周辺で4日間にわたって実施され、長距離輸送は同州マミングとザクセン州ライプツィヒ(ドイツ中部)間で3日間にわたって実施された。

 試験はトレーラ・ダイナミクスの「eトレーラ」の性能を評価しするとともに、BMWグループ・ロジスティクの実運送にとって最適なシナリオを見出すことを目的としている。

 この試験についてBMWグループで生産ネットワーク・ロジスティクスを担当するミヒャエル・ニコライデス氏は次のように話している。

 「BMWグループは、科学に基づく『1.5℃ビジネス・アンビション』にコミットし、バリューチェーン全体での環境中立を目指しています。そのために私たちは先進的なプロジェクトを活用してBMWグループのグリーン輸送戦略を加速しています。

 トレーラ・ダイナミクスの『eトレーラ』を先行して試験したのも、こうした電動セミトレーラが、標準的なディーゼルトラクタと組み合わせた時に燃料消費量を大幅に削減し、電動トラクタとの組み合わせでは航続距離を延ばす効果があることを証明するためです」。

次ページは : 従来車との組み合わせで燃料を大幅に削減する電動セミトレーラ

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