発売当初から実用的なトラック
さらに、補機用のメカニカルな動力を得やすいこともこの方式の利点で、冷凍機や油圧ポンプ、電動油圧式の様々なボディを容易に実現できる。
モジュラーバッテリーと駆動系の配置により、3.75メートルという非常に短いホイールベースが可能となり、一般的なセミトレーラ連結時の全長は、ほとんどの市場で規制値以内に収めることができるだろう。
バッテリーパックをコンパクトに設計したのは、フレームハイトを低く抑えるという目的もある。これにより(ボディ側の)「室内高3メートル」いう輸送要件に配慮した。例えば自動車などの生産物流では、ハブ間の輸送がほぼ規格化されており、車両側が寸法等の要件を満たしていればディーゼル車から直ちに切り替えることができるため、最初から「実用性」を考慮した形だ。
運転に関してドライバーは新しい技術に身構える必要はない。ドライバーを中心に据えてレイアウトしたコックピットはなじみのある従来通りの運転ロジックに、例えばブレーキ機能もカバーする回生量の設定など、BEV特有の機能を追加したものだ。
ハンドルの右側にあるステアリングコラムレバーによる操作のほか、1ペダル運転モードを選択することもできる。
1ペダル運転は、ドライバーがアクセルペダルの踏力を弱めるほど回生ブレーキの効きが強くなるモードで、サービスブレーキを使わずに車速を細かくコントロール可能。回生ブレーキにより車両の運動エネルギーが電気に変換されバッテリーに戻されるので、エネルギー効率も向上する。
インパネのクラスターは新規開発したデジタル式で、バッテリーの充電率(SOC)、エネルギー消費と回生状況などの情報を表示する。
バッテリーの電力を走行以外にも活用するBEVでは、特に空調のエネルギー消費が多い。これをできる限り効率化するため、eトラックでは冷暖房システムと車両全体の温度管理をインテリジェントに組み合わせた。
駆動ユニットとバッテリーの温度管理システムから、運転時に出る余剰な熱をキャブの暖房用に活用し、可能な限りバッテリー消費を抑えた。これによりすべてのキャブサイズで冬期でも快適な温度が維持されるという。
キャブバリエーションは最新のディーゼル車と同じで、大型ワイドキャブのTGXと、より小さいTGSだ。いずれもルーフ高は3つのバージョンを用意する。
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