スカニアは欧州市場の短距離・地場輸送用の大型バッテリーEV(BEV)トラックをアップデートし製造開始すると発表した。シャシー、バッテリー、補機類を最適化し、特に新型バッテリーパックはノースボルト製のセルをスカニアの工場で組み立てる。
またトラックの電動化に関するオファーも強化しており、充電サービスの「スカニア・チャージング・アクセス」により、スカニア車のオーナーは欧州12か国でトラックの充電が容易になった。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/Scania CV AB
スカニア、短距離輸送用の次世代BEVトラックを製造へ
2023年10月18日、スウェーデンの大手商用車メーカーでフォルクスワーゲンの商用車部門、トレイトン・グループに属するスカニアは、次世代の短距離・地場輸送用ゼロエミッショントラックの製造を開始すると発表した。
スカニアの短距離輸送用の大型BEVトラックは2022年に初めて公開され、既に注文を受け付けている。2023年の第4四半期に製造開始としていたので、スケジュール通りといったところだ。
製造はスカニアの本拠地であるスウェーデンのセーデルテリエで行ない、キャブは大型車用の「R」及びフラッグシップの「S」シリーズとなる。電動での出力は400~450kWで、このクラスのほとんどの用途をカバーするという。
都市用BEVトラックのアップデートには、車両だけでなく新しい充電サービス「スカニア・チャージング・アクセス」も含まれる。同日付でトレイトンがBEVトラック充電サービスの拡充を発表しているが、同グループの先陣を切ってスカニアが実装したものだ。
欧州におけるトラック用充電サービスは、商用車大手のトレイトン、ダイムラー、ボルボが合弁企業「マイレンス」を設立しており、競合企業が協力してインフラ整備を進めている。スカニア(トレイトン)の発表に先立ってボルボも充電サービスの拡充を発表していた。
輸送分野に関わらずBEVトラックが運送会社にとって魅力的となるにはインフラとサービスの成熟が必要となる。スカニアの副社長でeモビリティを担当するフレデリック・アラード氏は次のようにコメントしている。
「ゼロエミッショントラックを運行することは、もはや一部の会社の特権ではありません。スカニアのオファーは、お客様の要望の大部分をカバーし、化石燃料フリーの輸送に向けた敷居を下げるものです」。
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