スカニアは2020年にソーラーパネル・トラックを試作すると発表しているが、2023年8月31日、太陽光ハイブリッドトラックをスウェーデンの公道で試験していることを明らかにした。
トレーラ1台でソーラーパネルを設置した一軒家と同程度の発電量を見込んでおり、これをプラグイン・ハイブリッド車の走行用に活用することで航続距離が延びるという提案だ。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/Scania AB
スカニア等が試作した「太陽光ハイブリッド」トラック
大型トレーラにソーラーパネルを搭載したユニークなハイブリッドトラックがスウェーデンの公道を走っている。これは同国のスカニアとウプサラ大学などの2年間の共同研究によるものだ。トラック自体が太陽光エネルギーにより発電することで、運行コストの低減と排出量の削減が可能となる。
スカニアの研究室長、スタス・クルペニア氏はこのトラックについて次のように話している。
「スカニアの目的は持続可能な輸送システムへの移行を促すことです。今回のコラボレーションより以前には、ソーラーパネルが大型トラックのパワートレーンに動力を供給した例はありませんでした。
自然エネルギーを活用することで輸送セクターからの排出量を大幅に低減することができます。次の世代のためのトラックを開発する最前線に立つことができて大変光栄です」。
(日本では日本フルハーフが大型トラックの屋根にソーラーパネルを搭載し、架装物等に電力を供給するバッテリー補助システム「ザ ソーラー」を2013年に商品化している)
大型車が受けている太陽光から、実際にどれほどのエネルギーが生成できるのか調べるのも研究プロジェクト目的だ。併せてこれによって削減される二酸化炭素の量も調査する。
また、研究者たちはトラック用に軽量で高効率な新型ソーラーパネルを開発した。トラックと電力網の接続方法についても研究しており、特にこのようなトラックが複数送電網に接続された時にどうなるかについて新しいモデルを提案している。
ウプサラ大学教授(物理化学)で、このプロジェクトのマネージャーを務めるエリック・ヨハンソン氏のコメントは次の通りだ。
「これは学術界と産業界が共にトラック輸送の環境インパクトを低減しようというエキサイティングなプロジェクトです。このユニークなトラックから得られる結果は、非常に興味深いものになるでしょう」。
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